仕事において新たな一歩を踏み出すことは、喜びと同時に不安を伴うものです。
特に30代に差し掛かると、人生の中でのキャリアの転換期に直面しやすいもの。
転職は将来への新たな可能性を広げる一方で、選択の難しさや不確実性に悩むこともあります。
今後の人生を大きく左右する問題であるため、転職に迷う反応は当然のことです。
しかし、仕事において改善したいことがあるのであれば、時には勇気を出して決断をしなければいけません。
この記事では、転職に迷う30代の方へ向けて自分の価値観を見つめ直し、前向きに未来を切り拓くためのアドバイスをご紹介します。
転職に迷う30代の反応は当然のこと
まず、転職に迷う30代の人がいる事実についてですが、これは当然のことです。
例えば、1986年12月～1991年2月まで続いたバブル景気の時代であれば、転職に迷う必要はなかったでしょう。
なぜなら、当時の日本は資産価値の上昇と好景気の影響もあり、好待遇で求職者を受け入れてくれる企業は山ほどあったからです。
特に、働き盛りの20代～30代の求職者を採用したい企業はたくさんありました。
なお、面接を受けると交通費の支給は当たり前で、面接後は食事や手土産を持たされる人も大勢いた時代です。
それに比べ、現代の日本は景気の後退が続く状況にあり、そう簡単に求職者を受け入れてくれる企業はありません。
仮に20代であればポテンシャルを期待して採用してくれる企業もあるでしょうが、30代ともなると即戦力を求められるため、転職のハードルは高めです。
つまり、30代からは簡単に転職できる世の中ではないと理解しているからこそ、転職に迷う人がいるのです。
また、「転職した会社で仕事や人間関係がうまくいかなかったらどうしよう…」と考え、転職に迷う30代の人もいます。
いずれにしても、現代の日本経済の事情を考えると、30代からの転職に迷うことは仕方のないことだといえます。
転職に迷う30代は改善したいことを先に考える
基本的に転職に迷う30代の方の多くは、何かしらの原因を改善したいとは思うものの、今後の人生が不安で決断できない人たちです。
ただ、中には「仕事にやりがいを感じないから転職しようかな」と考える人もいます。
こうした安易な考えで転職は、残念ながら高確率で失敗します。
なぜなら、明確な転職理由や実現させたい目標がないため、現在の年収より大きく下がったり、劣悪な職場環境の会社へ入社するリスクが高くなるからです。
そのため、明確な目的がない場合は、現在の職場に留まり働き続ける方が無難といえるでしょう。
なお、以下のような問題の改善が目的であれば、転職を前向きに検討しても問題ありません。
- 年収・給与が少なすぎる
- 労働環境が悪い
- 人間関係が辛い
- 家庭の事情を優先したい
それぞれについて、一つずつ確認をしていきます。
現在の年収を改善したい
現在の年収が低すぎることを原因とし、転職に悩む30代の人は多いです。
例えば、30代の平均的な年収よりも明らかに少ないと、どうしても仕事へのモチベーションは低下してしまいます。
どの年代の方でも年収は増えるどころか減少傾向にある世の中であるため、ある程度は仕方のないことなのかもしれません。
しかし、長く働いても差ほど年収に変化がないのであれば、転職を検討するべきといえるでしょう。
30代の方の中にも家庭を持っていたり、住宅や車などのローンを返済している人はたくさんいます。
そうしたとき、いつまでも変化のない年収で30代を迎えているのであれば、転職による改善も一つの選択肢です。
なお、仕事でそれほど会社に貢献ぜずに年収が低いのであれば、転職よりまずは働き方を改善してみてください。
そうではなく、仕事で大きな貢献をしてはいるものの、単に年収が低い場合は、あなたは適切な評価をされていないといえます。
そのため、今後も年収アップが見込めない様子であれば、あなたが適切だと思う年収をもとに転職活動を行う方がベストです。
労働環境が悪く改善したい
働く職場の労働環境が悪すぎると、どうしても転職したいと考えてしまうものです。
ですが、「仕事だから仕方がない…」「会社を辞めて家族に迷惑をかけられない…」などの考えが頭をよぎり、転職するべきかを迷う30代の方もいます。
なぜなら、転職をして「労働環境が前職より悪くなった…」「年収が減って生活が厳しい…」などが起きた場合、「前の会社の方が良かった…」と後悔するに違いないと考えるからです。
しかし、全く改善の余地がない場合は、あなた自らが決断をして改善できる行動に移す必要があります。
例えば、「いつから労働環境が悪くなったのか？」を考えてみてください。
そして、つい1～2カ月前から急に労働環境が悪くなったのであれば、一時的に仕事量が増えたなどで忙しいだけなのかもしれません。
ただ、入社してからすぐ、あるいは何年も現在の状況が続いている場合は、今後も労働環境が改善される望みは薄いといえます。
そのため、家族と過ごす時間やあなたが自由に使える時間を増やすためにも、前向きに転職を検討することが大切です。
人間関係が辛く改善したい
30代の方に限らず、人間関係を理由に転職するべきかを迷う人はとても多いです。
例えば、無駄に長い上司の叱責や理不尽な暴言、仕事をしてくれない先輩や同僚など、こうした人間関係を理由に会社を辞めたいと思う人は少なくありません。
入社して間もない頃であれば、職場の環境にまだ慣れていないため、「このようなことが普通なのかもしれない」と納得してしまうこともあるでしょう。
ですが、ある程度の経験を積むと、徐々に同じ職場で働く人の行動パターンや思考を理解できるようになってきます。
そのため、段々と人間関係を理由にストレスが溜まったり、体調不良が起きたりなどして転職しようか迷うようになるのです。
なお、私は4回の転職経験があり、うち3回は人間関係の悪さを理由の一つとして短期間で退職してきました。
これには明確な理由があり、新卒入社した会社で人間関係を理由にうつ気味となり、退職した人を数名知っていたからです。
中にはうつ病を発症して休職を余儀なくされ、そのまま復帰できなかった人もいました。
このような体調不良になる主な原因は、職場環境の悪さを我慢しすぎて働くことにあります。
もし、現在の職場で人間関係を改善できる見込みがないのであれば、ストレスを軽減して働くためにも見切りをつけて転職することも重要です。
家庭の事情を優先したいので改善したい
家庭を優先した生活を送ることを目的に、転職を迷う30代の方も少なくありません。
例えば、転勤の多い会社に勤めていると辞令が下る度に異動を余儀なくされます。
このとき、引っ越しを伴う転勤が発生すると、家庭持ちの方はあなたと一緒についていかなければいけません。
もし、あなたのパートナーが会社で働いていると、退職しなければいけないことも考えられます。
また、子供がいる場合は転校を余儀なくされ、異動予定の地域で新しい学校生活を送ることにもなるのです。
こうした事態になると、あなただけではなく家族にも仕事の都合で迷惑をかけることになります。
私も引っ越しを伴う転勤の経験がありますが、「会社を辞めて転職するべきか」「我慢して転勤に応じるべきか」を迷うことがありました。
なぜなら、転勤を拒否したくてもできないからです。
会社から転勤辞令が下された以上、就業規則に転勤の必要性についての記載がされていた場合は、残念ながら正当な理由がない限り原則拒否ができません。
（人事異動）
厚生労働省 転勤に関する参考資料
第８条 会社は、業務上必要がある場合に、労働者に対して就業する場所及び
従事する業務の変更を命ずることがある。
２ 会社は、業務上必要がある場合に、労働者を在籍のまま関係会社へ出向さ
せることがある。
３ 前２項の場合、労働者は正当な理由なくこれを拒むことはできない。
上記の通りで、会社は「人事権」が認められているため、個人的な事情で転勤を拒否するとができず、頑なに拒否すると解雇されることもあるのです。
そのため、家庭の事情を優先したい場合は、先のことを考え転職の決断をする勇気も必要です。
転職に迷う30代は時に勇気も必要
転職に迷う30代の方は、今後の人生のことも考え転職を決断する行動も重要です。
時間の経過で改善できる見込みのある場合は別ですが、難しいのであれば現職に留まる行動は現実的ではありません。
なお、ある程度の時間が経過していても変化がない、あるいは悪化している場合は改善の見込みが薄いといえます。
そのため、転職に迷う気持ちもわかりますが、時には勇気を出して決断し、新しい環境でキャリアアップしていくことが大切です。
ただし、転職するにしても手探りで行なってはいけません。
なぜなら、転職活動をする決断をして行動に移したとしても、適切なステップのもと進めなければ失敗するからです。
特に一人で転職活動をすると、今よりも労働環境の悪い会社に転職してしまう確率が高くなります。
私がまさに該当しており、転職することを決意して退職したものの、一人手探りで転職活動をしたため3回も労働環境の悪い会社へ入社してしまいました。
当然ながら、労働環境の悪い会社へ入社するとすぐに退職してしまうことにつながります。
さらに、短期間で転職を繰り返すと職歴にキズが付くだけでなく不利にもなります。
求人応募をしても「なぜ短期間で転職を繰り返しているのだろうか」「採用してもすぐに辞められそう」などと警戒し、内定を見送られがちになるのです。
こうした経緯で、筆者は1年半以上も無職状態に陥った過去があります。
このように失敗する30代の方は意外と多いため、転職先は慎重に選ぶ必要があるのです。
なお、転職することを決意したあなたへ筆者がアドバイスできることとしては、転職エージェントの活用を検討してみることです。
転職に迷う30代はキャリアアドバイザーを頼りサポートを受ける
私は最後の転職活動時に利用しましたが、転職エージェントを活用するとキャリアアドバイザーから適切なサポートを受けることができます。
求職者に合わせた求人紹介はもちろんのこと、応募書類の添削、模擬面接、スケジュール管理などのサポートをしてくれます。
また、現職の悩みを解決できるように、求人先に労働条件の交渉を代行してもらうことも可能です。
そのため、30代の方でも優れた企業へ転職できる確率が高く、今まで抱えていた問題の解決にもつながりやすくなります。
なお、転職に迷う段階にいる30代の方でも、転職エージェントの利用は可能です。
必ず転職する必要はないため、仕事に対する悩み相談や転職の検討段階でも問題なく利用できます。
いずれにしても、キャリアアドバイザーを頼ると適切なサポートとアドバイスをしてくれるので、一人で悩まず活用することも検討してみてください。
転職に迷う30代は勇気を出して改善を図る
30代から転職をする人がたくさんいる一方で、転職するべきかを迷う30代の方も非常にたくさんいます。
転職は今後の人生を大きく左右する問題なので、迷うことは当然のことです。
しかし、現在の職場に留まり続けても改善が見込めない場合は、勇気を出して転職を決断することも重要です。
問題を改善できる見込みのない会社で働き続けても、あなたの今後の人生が良い方向へ向かうことはありません。
また、時間が経つにつれて年齢を重ねることにもなるので、もし転職を決断したときが既に40代であれば、30代の時よりもさらに転職が難しくなります。
こうしたリスクがあるため、今の会社に見切りをつけて転職することも時には必要といえるでしょう。
転職活動を行う30代の方の多くは転職エージェントを利用しています。
もし一人で転職活動を行うと、求人探し、履歴書の作成、面接対策、労働条件の交渉など、転職に関わる全てを自分で行う必要があるからです。
それに比べ、転職エージェントを利用すると、キャリアや転職活動に関する専門的な知識と豊富な経験を持つキャリアアドバイザーが全面的にサポートしてくれます。
なお、30代の方に適した転職エージェントの情報を以下にまとめているので参考にしてみてください。