30代に入ると、今後のキャリアを見つめ直す方が増えてきます。
なぜなら、30代に差し掛かると、経験を積みながらも未来のキャリアに向けての夢や目標がより明確になるからです。
だからこそ、キャリアアップを目的とした転職を検討する方も少なくありません。
なお、これは新たな挑戦を迎える絶好の機会であり、より充実した仕事や生活を築くためのステージとも言えるでしょう。
新しい職場でのスキルの磨き直しや専門知識の向上は、次なるキャリアステージに向けた大切な一歩です。
しかし、新たなキャリアに転身する際に成功するためには、戦略的なアプローチが必要です。
この記事では、30代のキャリアアップ転職を成功させるための具体的な手段やポイントを解説します。
キャリアアップとは
30代からキャリアアップ転職をする方は多いのですが、そもそも「キャリアアップ」の意味について疑問に思われてるかもしれません。
キャリアアップを簡単にご説明すると、個人が仕事のスキルや経験を向上させ、専門的な成長や進展を遂げるプロセスを指します。
これには、新しいスキルの取得、教育の継続、プロジェクトのリーダーシップ、マネージメントの責任の増加、または異なる業界や職種への移行なども含まれます。
つまり、自身の才能や能力を最大限に発揮し、仕事においてより満足度の高い経験を得ることがキャリアアップです。
なお、個人が現在の職場や職種から離れ、より高度な職務や新しい分野での仕事に挑戦することを「キャリアアップ転職」と呼びます。
スキルアップ・キャリアチェンジとは
キャリアアップとよく似た意味合いで使われる言葉に「スキルアップ」があります。
キャリアは「経歴」を表す言葉ですが、スキルは「技能」・「能力」を表す言葉です。
つまり、個人の技能や能力を高める行動を指すのですが、「英語力を上げる」「資格の取得を目指す」などがスキルアップに該当します。
なお、「キャリアチェンジ」の言葉が使われる機会もあり、これはキャリアアップとは意味合いが全く違います。
キャリアチェンジとは、現在の職務や業界から離れ、未経験の新たな職種や業界に進むことを指す言葉です。
例えば、ITから美術館の管理職へ、営業からエンジニアへの転身などが挙げられます。
30代がキャリアアップ転職を目指す際の注意点
30代の方がキャリアアップ転職を目指す場合、注意しておきたいポイントがいくつかあります。
具体的には以下の通りです。
- 30代前半と後半とで転職の事情が異なることを理解しておく
- 働きながらの転職活動が重要
- 未経験職への転職は避ける
- 仕事での貢献を期待されてプレッシャーがかかる
それぞれについて、詳しくご説明していきます。
30代前半と後半とで転職の事情が異なることを理解しておく
30代でキャリアアップ転職をする際、企業側から重要視されるポイントが異なります。
具体的には、マネジメント経験があるかどうかです。
ただし、30代とはいっても、30代前半と後半とで分けることができます。
このとき、30代前半はマネジメント経験を積んでいない方が年齢的にも多い年代です。
なお、マネジメント経験とは部長や課長などの役職につき、部下の管理業務に携わった経験があることが挙げられます。
また、プロジェクトリーダーとしてメンバーの育成、指導などの経験があれば、マネジメント経験があると言えるでしょう。
つまり、30代前半はマネジメント経験のある人が少ないため、企業はマネジメント経験よりも「即戦力で活躍できる能力があるのか」を重視して採否の判断をする傾向にあります。
一方で、30代後半からキャリアアップ転職をするとなると、マネジメント経験が重視されます。
30代後半では、マネジメント経験のある人が増えてくるため、企業側もマネジメント経験があるかどうかを重視して採否を決めるのです。
そのため、30代後半からはマネジメント経験があれば転職で有利となりますが、必ずしも経験がなければキャリアアップ転職を実現できないわけではありません。
あなたが転職先で活かせる自分の強みをアピールできると、採用してくれる期待を持つことができるでしょう。
働きながらの転職活動が重要
30代からキャリアアップ転職を実現させるためには、働きながら転職活動を行うことが大切です。
先に仕事を辞めると、働いていた時間を転職活動に充てることのできるメリットが得られます。
しかし、仕事を辞めると収入が途絶えるため、貯金を崩しながら転職活動を進めなければいけません。
なお、一般的に30代の転職は3カ月かかるといわれており、転職先に求める難易度が高いほど時間を必要とします。
このとき、思うように内定を獲得できない場合、精神的・金銭的に焦りが生じ、妥協した転職をしてしまう可能性が高くなるのです。
当然ながら、当初予定していた労働条件を大きく妥協した転職をしてしまうと、キャリアアップを実現することはほぼできません。
ひどい場合、職場環境の劣悪な会社に転職してしまい、今までのキャリアを全て失うことも考えられます。
実際に、私は焦りから妥協した転職を3回も繰り返してしまい、仕事を通して培ったキャリアを全て失った過去があります。
こうしたことを防ぐために、ブラック企業に勤めているなどの特別な事情がない限りは、働きながらキャリアアップに向けた転職活動をすることが重要です。
未経験職への転職は避ける
当然ながら、キャリアアップを目指す30代の方は、自身の経験や実績を活かせる職場へ転職する方が有利です。
つまり、キャリアアップ転職を実現させるには、実務未経験の業界や職種への求人応募は避けなければいけません。
未経験職への転職はキャリアチェンジとなるため、今までに培ったキャリアを最大限生かして業務に携わることが難しいからです。
何より、30代からは即戦力が求められるので、キャリアチェンジによる転職はハードルが高くなります。
なお、20代であればキャリアチェンジも成功しやすいと言えるでしょう。
20代は若く将来性があることから、「ゆっくり経験を積んでくれればいい」と考える企業が多いため、キャリアチェンジが成功しやすい傾向にあるのです。
もちろん、ハードルは高いのですが、30代の方でもキャリアチェンジは可能です。
しかし、一から勉強する必要があり、現職の年収から大きく下がることを理解しておく必要もあります。
私はキャリアチェンジによる転職をした経験があるのですが、入社した会社に問題があったことも関係し、約200万円ほど年収が下がりました。
業界や職種にもよりますが、年収が下がってでも挑戦したい仕事があるのであれば、キャリアチェンジを目指す意味もあるでしょう。
仕事での貢献を期待されてプレッシャーがかかる
求人募集をする企業は、キャリアアップを目指す30代の転職者に対し、即戦力として貢献してくれることを期待しています。
30代ともなると、社会人となって長いキャリアを積んでいることが予想できるため、これまでの経験やスキルを活かし、活躍してくれることを期待するのです。
なお、キャリアアップを実現させることは、責任あるポジションに就き働くことを意味します。
そのため、相応の責任とプレッシャーがかかることを理解した上で、キャリアアップに向けた転職活動を進める必要があることを理解しておくことも大切です。
30代のキャリアアップ転職をするためのポイント
30代からキャリアアップ転職を実現するためには、自身の能力を伸ばすことのできる職場環境で働くことが重要です。
このとき、理想の求人を見つけて応募をする際には、即戦力として働けることをアピールして内定を獲得しなければいけません。
そのため、しっかり準備をして挑む必要があります。
キャリアプランを明確にしておく
30代から始めるキャリアアップ転職に向けて最初にするべきことは、「最終的にどうなりたいのか?」というキャリアプランを立てることです。
そこで、目指すべきゴールを考え、逆算してそこに至るまでのキャリアを描き明確にしていきます。
具体的には、「長期的」「中期的」「短期的」な目標を決めると、今すべきことを明確化しやすいです。
例えば、長期的な目標では、「部下のキャリアや将来を見据えたマネジメントをしたい」「経営者になりたい」などと考え決めます。
中期的な目標は、15年後、10年後、5年後と逆算しながら、長期的な目標の達成に向けた行動計画を細かく考えます。
最後に、中期的な目標を達成するために短期的な目標を明確にするのですが、これについてはすぐに実行できることを考えておくことが重要です。
仮に最終的な目標が「部下のキャリアや将来を見据えたマネジメントをしたい」なのであれば、それに向けて転職を行い、知識やスキルを身につける必要があります。
このとき、短期的な目標を実現するには「マネジメント能力を身につけるために、仕事から帰宅後に毎日1時間は勉強をする」といったことを決めれば、キャリアプランは完成です。
自分自身の経験や能力の強み・弱みを把握しておく
キャリアアップ転職を実現するためには、自分自身のことを理解しておくことも大切です。
例えば、今まで仕事を通して経験したことや貢献できたこと、どのような過程で能力が養われたのかを振り返り考えます。
- 仕事を通してなぜ成功や失敗をしたのか
- 会社へ貢献するためにどのような工夫をしたのか
- これらを経験して何が身に付いたのか
上記のような内容を振り返り把握しておくと、あなた自身の強みや弱みが見えてくるはずです。
なお、こうしたことを事前に把握しておくことは、キャリアプランを明確にするためにも必要なのですが、実はそれだけではありません。
キャリアアップ転職へ向けた面接時に、採用担当者から質問された内容を答える際にも役立ちます。
どの求人先に応募をしても、採用面接時にはほぼ「当社へ応募した理由」「転職する理由」は質問されます。
このとき、「キャリアアップのためです」と答えても、採用担当者に理解はしてもらえません。
なぜなら、あなたが目指すキャリアアップとは「昇進することなのか」「年収アップしたいのか」など、意味合いが広すぎて何を指しているのか分からないからです。
そのため、「あなたが目指すキャリアアップとは何でしょう?」「今の会社では実現できないのですか?」と切り返されてしまいます。
こうしたことを避けるために、「現在の会社では、仕事での成功例や失敗例を参考に貢献できるよう工夫をして結果を出してきましたが、年功序列の制度が採用されているため当面昇進は望めないと言われました」。
「私としては、30代の間に責任あるポジションに就いたのち、キャリアを築きたいと考え転職を決意しました。」など、事前に採用担当者へ回答できる内容を考えておく必要があります。
つまり、あなた自身の経験や能力の強み・弱みを理解しておくことがポイントです。
企業が求めている人材を理解しアピールする
30代の方がキャリアアップ転職を目指す場合、企業が求めている人材を理解しアピールすることが重要です。
30代の人材を採用したい企業の多くは、即戦力として活躍してくれることを期待しています。
このとき、マネジメント経験があれば、将来的な管理職候補としての活躍を期待し歓迎する企業も少なくありません。
そのため、企業が求めているであろう人物像を把握した上で、採用することで会社に大きく貢献できることをアピールする必要があります。
つまり、事前に企業が重視しているポイントを押さえて対策しておくことが、転職成功への鍵となるのです。
30代のキャリアアップには転職エージェントを利用する
30代のキャリアアップ転職を失敗に終わらせないためには、転職エージェントの利用を検討することも重要です。
実際のところ、自らキャリアアップ転職で叶えるためのキャリアプランを明確にしたり、経験や能力による強み・弱みを考え理解することは難しいと言わざるを得ません。
仮にキャリアプランを明確にし、自分自身の経験や能力の強み・弱みを把握しても、その内容をうまくまとめて求人先の採用担当者に伝えて理解してもらえるのかは別の話です。
そうしたときに転職エージェントを利用すると、在籍するキャリアアドバイザーより、あなたが転職で叶えたいことや強み・弱みをしっかりヒヤリングのもとサポートしてくれます。
キャリアアドバイザーは、転職についての経験や知識が豊富なので、キャリアプランの考え方とあなた自身では気づかなかった経験による強みや弱みを指摘してくれることもあります。
一人では難しいことでも転職のプロを頼ると、あなたの希望に沿った転職活動に向けての前準備ができ、それをもとに求人を絞って探すことができるでしょう。
なお、応募先となる求人についてはキャリアアドバイザーがしっかり確認をして探し、あなたが求める条件に当てはまるものを紹介してくれます。
その他、あなたが応募する求人先が本当にキャリアアップを実現できる職場環境なのかを調査し、また面接対策も実施してくれます。
こうした手厚いサポートを受けることができるため、キャリアアップ転職を目指す場合は、転職エージェントの利用も検討してみてください。
30代のキャリアアップ転職ではプランをしっかり立て成功へ導く
30代がキャリアアップ転職を実現させるためには、まずキャリアプランを明確にすること。
また、あなた自身の経験や能力による強み・弱みを理解しておく必要があります。
キャリアアップ転職を叶えたいとはいえ、キャリアアップの本質を理解しないまま転職活動を始めても、失敗する確率は高いです。
なお、転職エージェントを利用してサポートを受けると、あなたが望むキャリアアップの実現に向けた求人へ出会うことができ、成功へ導くことができるでしょう。
転職活動を行う30代の方の多くは転職エージェントを利用しています。
もし一人で転職活動を行うと、求人探し、履歴書の作成、面接対策、労働条件の交渉など、転職に関わる全てを自分で行う必要があるからです。
それに比べ、転職エージェントを利用すると、キャリアや転職活動に関する専門的な知識と豊富な経験を持つキャリアアドバイザーが全面的にサポートしてくれます。
なお、30代の方に適した転職エージェントの情報を以下にまとめているので参考にしてみてください。