30代の方の中には、「Uターン転職」を検討している人もいます。
Uターン転職とは、地方で生まれ育った人が都会に移住をして就職し、再び生まれ故郷に戻って働くことを指して使われる言葉です。
なお、Iターン転職という言葉もあり、こちらは都会で生まれ育った人がそのまま都市部で就職したのち、地方に移住して働くことを指します。
いずれにしても、都会から離れて地方(故郷)に移住し、そして働こうとすることをU・Iターン転職と言います。
なお、30代の方がUターン転職を考える理由は様々ですが、都会を離れて故郷に戻り、そのまま働くことを望むのです。
実は私もUターン転職をした30代の一人であり、都会から故郷に戻って働いています。
ただ、Uターン転職をすることにはあなたにとって大きなメリットとなることはありますが、デメリットも少なからず存在します。
そのため、これらをよく理解した上でUターン転職を行うことが大切です。
この記事では、30代でUターン転職をする上で理解しておくべきことを解説していきます。
30代がUターン転職をすることで得られるメリット
30代の方がUターン転職をすることで得られるメリットはたくさんあります。
例えば、以下のようなことです。
- 転勤・異動がほぼない
- 通勤時の満員バス・電車から解放される
- 生活コストが安い
- のんびりとした環境で生活できる
- 移住支援制度を受けられることもある
このように、都会では難しい内容でも故郷に戻ることで実現できることがあります。
Uターン転職をすることで得られるこれらのメリットについては、以下で詳しくご紹介していきます。
転勤・異動がほぼない
会社の規模にもよりますが、都会で働いていると転勤や異動の辞令が下されることは少なくありません。
すぐに戻れるのであれば多少我慢はできるでしょうが、元の職場に戻れることもなく、転勤や異動が続くと嫌気がさしてくるものです。
そうしたとき、Uターンをして異動や転勤のない仕事を探し、そのまま転職をする30代の方は意外とたくさんいます。
私は若干事情が異なるのですが、異動の辞令を原因として長く勤めた会社を30歳で退職し、Uターン転職をしました。
なお、Uターンをしても、全国に店舗を展開しているようなチェーン店に転職をしてしまうと、転勤や異動の辞令を下されることはあります。
ただ、あなたの故郷にしかない中小企業に転職することができれば、無駄な転勤や異動をすることなく特定の地域で働き続けることはできるでしょう。
通勤・帰宅時の満員バス・電車から解放される
都会では毎日多くの人が行き交います。
そのため、通勤時や帰宅時にバスや電車を利用する必要のある方は、どうしても満員の中で乗車して過酷な毎日を送らなければいけません。
ですが、Uターン先によっては通勤・帰宅ラッシュに遭遇することもなく、毎日ゆったりと通勤や帰宅をすることができるようになります。
都会のように人口密度が高くないので、人の行き交いが少なく座席や空間自体に余裕があるのです。
このような通勤・帰宅ラッシュから解放されることを望み、Uターン転職をする30代の方も少なくありません。
生活コストが安い
Uターン転職をすると、都会のように物価や住宅費が高くないので生活コストを抑えることができます。
例えば、東京で1Kの賃貸住宅を借りようとすると、築20年以上でも10万円を超えることはそう珍しくありません。
住む地域によっては多少は安くなりますが、それでも地方と比べるとどうしても高くなりがちです。
このとき車を所持しているのであれば、月額1~2万円、更には5万円台でもザラにあります。
そうなると、最低でも毎月11~15万円程のお金を払い続ける必要があるのです。
対して地方では、5万円もあれば新築の1K賃貸住宅に住むことは十分可能です。
そして駐車場代はとても安く、5千円もあれば契約することができ、地域によれば賃貸費込みとなっていることもあります。
なお、私は車を所有してはいませんが、駐車場を借りようとすると月額3,300円(税込)で借りることができます。
もちろん、砂利ではなくアスファルトの駐車場です。
このように、生活コストを抑えるためにUターン転職をする30代の方もいます。
のんびりとした環境で生活できる
都会はとても人口密度が高いため、何事にもスピードが求められる傾向にあります。
例えば、ラッシュ時の電車やバスは3~8分毎にきたり、飲食店では回転率を意識している傾向にあるのでとても速いです。
そのため、地方と比べ都会では仕事にスピードを求められることが多いのです。
対して、地方は都会のように人口密度が高い訳でもないので、それ程スピードある仕事は求められません。
時間に余裕のある働き方ができるので、都会のように気を張り詰めて仕事に取り組む必要がないのです。
なお、余裕ある働き方ができるため、趣味に没頭したり、家族と過ごす時間を設けることのできる魅力も地方にはあります。
移住支援制度を受けられることもある
近年、東京をはじめとする都市部でも働き手となる人材の不足により業務が滞り、問題となっている企業が増えてきました。
ただ、地方は都会よりもさらに深刻であり、人手不足に加えて過疎化も進み深刻な状態へと陥っているのです。
そのため、都会からの移住者に向けて、「移住者支援」を行う自治体が増えてきています。
例えば、地方によっては以下のように、移住者支援をUターン者に向けて設けていることがあります。
- 20年住めば土地・住宅を無償譲渡
- 家賃半額補助
- 結婚・出産・子育て支援金
- マイホーム費補助
- 起業補助金
このように、地域活性化を目的としてU・Iターン者に向け、移住者支援を行う地方もあります。
こうした制度を利用するために、Uターン転職を考える30代の方もいるのです。
なお、具体的にどのような移住者支援を受けることができるのかは、各自治体のホームページで確認することができます。
30代がUターン転職をすることで生じるデメリットもある
前述でご紹介をした通り、30代の方がUターン転職をすることで様々なメリットを得ることができます。
ただ、Uターン転職をすることによってデメリットとなることもあるのです。
例えば、以下のようなことがあります。
- 娯楽施設が少ない
- 人間関係が密なことがある
- バス、電車の本数が少ない
- 求人が少なく年収も下がりがち
30代の方がUターン転職をすることで、こうしたデメリットを被ることが考えられます。
詳しくは、以下でご説明をしていきます。
娯楽施設が少ない
都会は人口密度が高いため、様々な娯楽施設が各地域に存在します。
例えば、以下のような娯楽施設です。
- テーマパーク
- 水族館、動物園
- ゲームセンター
- カラオケ
- 競馬場
- 映画館
このように、都会では遊びに困ることがないほど娯楽施設がたくさんあります。
それに比べ、地方には娯楽施設がそれほど多く存在しません。
もちろん、人の賑わう地域まで赴けば多少なりとも娯楽施設はあると思います。
ですが、都会のように多くの娯楽施設がたくさんあるわけでもなく、また近くにあるわけでもありません。
そのため、娯楽施設をよく利用する30代の方は、Uターン転職をすると簡単に利用できないことを理解しておくことが大切です。
人間関係が密なことがある
地方によっては人間関係がとても密である場合があります。
例えば、人間関係が密であると情報が回るのがとても早いです。
このとき、有益な情報のみ回るが早いのであればとても助かりはします。
「怪しい人が歩いている」「今日はこの商品がお買い得」「氾濫の危険がある」などの有益な情報です。
ただ、他人には知られたくない個人的な情報も一瞬にして広がる可能性が高いため、人によっては苦痛に感じることがあるかもしれません。
バス・電車の本数が少ない
都会ではどの時間帯でも大勢の人が行き交うため、バスや電車などの本数はとても多いです。
また、その他の公共交通機関も数多く存在し、交通の便ではとても便利と言えます。
ただ、地方では極端にバスや電車の本数が少なくなるため、公共交通が便利とはいえません。
例えば、東京で電車やバスが毎分10分おきに到着したとしても、地方では1~2時間おきに1本しかこないことは珍しくないのです。
そのため、Uターン転職をする場合は、自転車、バイク、車などを持ち、事前に移動手段を確保しておく必要があります。
求人が少なく年収も下がりがち
30代でUターン転職を実現するためには、求人募集をする企業を探して応募をする必要があります。
ただ、地方は都会のように求人が多くはありません。
都会よりも人口密度が低いため、求人応募をする企業が極端に少なくなるからです。
例えば、一般転職サイトで「東京23区、事務・管理、年収500万円以上、正社員」と入力して検索すると、1000件以上の求人募集が確認することができます。
もちろん、希望する条件をさらに入力すると、求人募集をする企業はどの職種でも少なくなります。
ただ、都会より人口の少ない地方で同じ条件で求人を探すと、50件ほどしか求人募集をしていないことは珍しくありません。
また、業界や職種によっては10件もないことが普通にあるのです。
その他、年収も都会の企業と比べて下がりがちになります。
30代で年収が500万円以上あったとしても、Uターン転職をすることで300万円台になることもあるのです。
なお、私はUターンにより30代で4回の転職経験があり、都会で働いていたときは無残業で年収470万円程ありました。
ですが、3回目までの転職では年収が300万円台まで下がり、1年頑張った会社では毎日残業を3~4時間ほどしても年収が300万円しかなかったこともあります。
これは、問題のある会社に転職してしまったことが原因ではありました。
ですが、30代でUターンをして自ら求人を探すとめぼしい求人が少なく、また年収が下がる可能性があることも理解しておくことが重要です。
30代でUターン転職をするための仕事の探し方
前述でご説明をした通り、30代でUターン転職をするためには、働くことのできる企業を探して応募をする必要があります。
ただ、求人は都会と比べて圧倒的に少なく、年収も大きく下がる可能性があります。
そのため、自ら求人を探すことは難しく、また現実的でもありません。
このとき、30代でUターン転職をする方の多くは、転職エージェントを活用します。
なぜなら、転職エージェントに在籍するキャリアアドバイザーを頼ると、優れた企業求人の紹介をしてくれるからです。
また、応募書類の作成・添削、面接対策、労働条件の交渉など、求職者が成功するための具体的なサービスを提供してくれることも関係しています。
このように、求職者の負担を減らし、効率的に転職活動を進めることができるようサポートをしてくれるので、Uターン転職をする場合には転職エージェントの活用も検討してみてくだい。
30代でUターン転職をするなら利点と欠点を理解した上で行動する
30代でUターン転職をする方は意外にも年々増えています。
「地元に戻りたい…」「余裕ある働き方をしたい」「生活コストを下げたい」などの理由により、Uターン転職をするのです。
30代でUターン転職をするメリットは確かにあります。
ただ、それと同時にデメリットも存在します。
例えば、地方は求人数が都会よりも少ないため、希望する企業や労働条件の求人を見つけることが困難です。
そのため、転職活動を一人で行うと良い結果にはつながりません。
こうしたことを避けるために、プロの手を借りて求人を紹介してもらうことも大切です。
転職エージェントに在籍するキャリアアドバイザーを頼ることで、求人紹介、労働条件の交渉、面接対策などのサポートを受けることができます。
これらを理解した上でUターン転職を行うと、希望条件に合った企業に出会い働くことができるでしょう。
転職活動を行う30代の方の多くは転職エージェントを利用しています。
もし一人で転職活動を行うと、求人探し、履歴書の作成、面接対策、労働条件の交渉など、転職に関わる全てを自分で行う必要があるからです。
それに比べ、転職エージェントを利用すると、キャリアや転職活動に関する専門的な知識と豊富な経験を持つキャリアアドバイザーが全面的にサポートしてくれます。
なお、30代の方に適した転職エージェントの情報を以下にまとめているので参考にしてみてください。