社会で働く30代の中には、定期的に転勤を命じられながら働く人がいます。
つまり、転勤族として日々働く30代の方もいるわけですが、新たな地域で働くことが好きな人は、さほど転勤することに問題はありません。
定期的に転勤があるため、さまざまな地域での暮らしを楽しみながら仕事に従事することができるからです。
ただ、ほとんどの人は転勤を望みません。
私も転勤を経験しているため分かるのですが、新しい地域での生活環境に毎回なれるのは大変ですし、一緒に働くであろう職場の従業員と新たに人間関係を築くことも一苦労です。
何より、独身の場合は結婚を前提としたお付き合いが難しく、家族がいても単身赴任や一緒についてきてもらうかを転勤のたびに悩まなければいけません。
このように、転勤のたびにさまざまな問題が発生するためしたくないと思う人が多く、また改善するために転職をする人が多いです。
このとき、転勤族から解放されたいと願う30代の方は転職するべきなのでしょうか。
この疑問については、今後も転勤が続くのかを見定めながら転職を検討する必要があります。
本記事では、転勤族の30代が定着するためにできる対策と、転職の仕方について解説をしていきます。
転勤族の30代は転職したいと考える傾向にある
転勤族として働く30代の方の多くは、できるだけ転勤を避けたいと考えます。
また、転勤を避けることができない場合は転職を考える傾向にあるのです。
実際のところ、転勤を理由に転職する30代の方は多く、私も似たような問題で転職する道を選びました。
ただ、なぜ転勤を繰り返すことが嫌になるのでしょうか。
これについては、以下のような考えがあったり問題が起こる可能性があるからです。
- 住む慣れた地域が良い
- 独身者は結婚が難しい
- 家族に迷惑をかける
詳しくは、以下でご紹介していきます。
住む慣れた地域が良い
当然なことではありますが、誰でも住み心地の良い場所で生活を送りたいと思うものです。
住み慣れた地域であれば生活はとてもしやすく、「食材は〇〇のスーパーで買おう」「病気は〇〇病院で診てもらえば安心」「保育園や学校が近くにあるから子どもを安心して通わせやすい」など、さまざまなメリットがあります。
このとき、転勤を命じられると生活環境は大きく変わるため、すべてを一から調べたり探したりして把握しなければいけません。
ただ、転勤族は短期間で次々と勤務地の異動を命じられるため、生活にも少し慣れてきたころにはまた転勤によって振り出しへと戻されてしまうのです。
こうした状況に嫌気がさし、住み慣れた地域に定着することを前提とした転職をする30代の方はたくさんいます。
独身者は結婚が難しい
30代にもなると、結婚したり子どもがいてもおかしくはない年齢です。
ただ、転勤族である30代の独身者によくあることなのですが、結婚を前提としたお付き合い相手を見つけることが非常に難しいです。
さまざまな地域へ転勤するため、意外と異性との出会いはある人もいるのですが、残念ながら結婚までには至らないケースが高い傾向にあります。
その理由は、転勤族の人と結婚すると定住するためには単身赴任をしてもらうしか方法がなく、また毎回ついていくことにもなりかねないからです。
特に単身赴任で子どもができた場合は、何かと手助けして欲しいと思いつつも、肝心なパートナーは転勤で不在なため苦労が絶えません。
このように考えるため、どうしてもお相手の異性の方は結婚に踏み切れずに終わることが多いのです。
こうした人生に影響する問題に苦しくなり、転職をして転勤族から解放されようとする30代の方は少なくありません。
家族に迷惑をかける
家庭持ちでありながら転勤族として働く30代の方は、転勤するたびに家族へ迷惑をかけることになります。
例えば、単身赴任だとしてもパートナーに迷惑をかけてしまうことはありますし、子どもがいる場合は尚更です。
もし子どもが体調不良になったとき、どうしたらいいのか相談したくても肝心なパートナーは単身赴任で不在です。
そのため、一人の判断で対処を強いる形となり迷惑をかけてしまいます。
仮に転勤についてきてもらうにしても、専業でなければ厳しいと言わざるを得ません。
近年では、共働きのご家庭も非常に多く、転勤についていくには仕事を辞めるしか方法がない場合も考えられます。
さらに、子どもが保育園や小学校に通う年齢である場合、毎回保育園を探したり転校するなどでつらい思いをさせることにもなります。
転勤族であるご家庭では、こうした問題が常に付きまとうため、転職をして定着しようと考える30代の方が多いです。
転勤族の30代は転職前にできることをする
ここまでにお伝えした通りで、転勤族として働く30代の方は転職を考える傾向にあり、また実際に転職する人もたくさんいます。
このとき、転勤族として働いている場合は転職でしか改善できる道はないのでしょうか。
この疑問については、まず今後も転勤が続くのかを見定める必要があります。
例えば、最も確実に情報を得る手段として、上司に確認を取る方法で転勤が今後も続くのかを知ることができます。
しかし、転勤族とは俗に「短期間で次々と勤務地が変わる人」を指すため、上司としても遠い未来までの情報は恐らく把握できていません。
そのため、就業規則や正当な理由に該当して転勤を拒否できないかを調べてみることも大切です。
基本的に転勤は拒否できない
転勤族として働いている30代の方の中には、一度や二度は転勤の拒否をした経験のある人がいるかもしれません。
実のところ、私は新卒で入社した会社で転勤を命じられた時、上司に直談判をして拒否したことがありました。
ただ、会社から下された業務命令は基本的に拒否することができません。
会社は正社員として採用した従業員を簡単に解雇できないように制約されている一方で、転勤などを命じることのできる「人事権」が認められています。
そのため、以下の理由により個人的な事情で転勤の拒否をすることができないのです。
（人事異動）
厚生労働省 転勤に関する参考資料
第８条 会社は、業務上必要がある場合に、労働者に対して就業する場所及び
従事する業務の変更を命ずることがある。
２ 会社は、業務上必要がある場合に、労働者を在籍のまま関係会社へ出向さ
せることがある。
３ 前２項の場合、労働者は正当な理由なくこれを拒むことはできない。
なお、頑なに転勤を拒否すると会社は社員に対して「懲戒解雇」を下すことができ、また自ら退職することを促す「退職勧奨」を受ける可能性があります。
こうした事情により、転勤を命じられると「従う」か「退職」のどちらかしか基本的に選ぶことができません。
就業規則を確認する
上述の通りで、会社から転勤の業務命令を下されると基本的に拒否はできません。
なお、転勤を命じられた場合はあなたが勤務する会社の「就業規則」を確認してみてください。
例えば、「業務上必要がある場合に、労働者に対して就業する場所の変更を命ずることがある」などと記載されている場合、あなたは転勤がある可能性を受け入れた上で働いていることになります。
そのため、人事権の関係上、原則転勤の拒否はできません。
ただし、企業によっては「地域限定で就業する場所の変更を命ずることがある」などと記載していることがあります。
これについてはもちろん、入社時に確認したうえで労働契約を結んでいるとは思います。
このとき、引っ越しを伴う遠く離れた地域へ転勤を命じられたとしても「雇用条件に違反」しているため、転勤を拒否することは可能です。
その他、そもそも就業規則に転勤の旨について記載がない場合は、転勤命令が認められないため断ることができます。
正当な理由があれば転勤の拒否も可能ではある
実のところ、転勤は基本的に拒否はできないのですが、「正当な理由」がある場合は主張することで拒否できる場合もあります。
例えば、「業務上の必要性に比べて従業員の生活の方が著しく不利益が大きい」場合、転勤の拒否に繋がる正当な理由として認められることがあります。
具体的には、「要介護の家族がいる」「重病の家族がいる」などです。
過去の裁判例でも、母親が要介護2の認定を受けていたことを理由に転勤の拒否が認められたケースがありました。
もちろん、すべてにおいて必ず認められるわけではありませんが、上司に相談することで配慮してくれる可能性は十分あります。
なお、過去に「転勤するなら離婚すると嫁に言われた」との理由で転勤を拒否した社員がとある企業でいたようです。
これについては、単に離婚どうこうの理由は正当な理由とはいえないとのことで厳しく対処したとのこと。
確かに、正当な理由には該当しないため、このように個人的な事情で頑なに拒否すると、懲戒解雇となる可能性が高いため注意が必要です。
転勤族の30代が定着するには転職エージェントを活用する
転勤族の30代の方は転勤を拒否できる場合があるとはいえ、基本的に難しいのが実情です。
仮に正当な理由として認められたとしても、その後で発生するリスクもあります。
具体的には、年収アップや昇格・昇進ができなかったり、退職を促される可能性も否定できません。
このような圧力をかける企業は残念ながら多数存在するため、今後の働き方に影響してしまうのです。
そのため、転職の拒否が難しい場合は現在の会社に見切りをつけ、転職する決断も時として重要です。
このとき、転職エージェントを活用することで、あなたの希望する条件を参考に適した求人を紹介してもらうことができます。
一人で転職活動をする人も中にはいるのですが、正直なところ転職に詳しくない素人が求人情報を鵜呑みにして入社してしまうと、労働条件が違っていたり劣悪な職場で働くことを強いられる可能性が高いです。
私は30代で4回の転職経験があるのですが、そのうち3回は求人票を鵜呑みにして入社してしまい、総合的に年収が200万円以上も下がったり、劣悪な職場環境で働くことを強いられ苦労をしました。
それに比べ、転職エージェントにはプロのキャリアアドバイザーがしっかりサポートをしてくれるため、こうした状況を未然に防ぐための手助けをしてくれます。
「転勤はしたくない」と最初に伝えておくと、その条件に沿って求人を探したりあなたを代行して交渉をしてくれるので、よりよい転職につながることでしょう。
こうした手厚くメリットあるサポートを受けることができるため、転職活動をする際に転職エージェントを利用すると、あなたの心強い味方となってくれます。
転勤族の30代はまず見定めてから転職をして定着する
短期間で、次々と勤務地の異動を命じられる転勤族として働く30代の方はたくさんいます。
転勤を拒否したいとは思いつつも、断れば退職を強いられたりキャリアアップが見込めなくなるなどのリスクがあるため、簡単に断ることはできません。
そもそも人事権の関係上、基本的に転勤の拒否は認められないため否応なしに転勤するしかないのです。
そうしたとき、転勤から解放されて現在住む地域に定着したい場合は、ほぼ転職することでしか解決できません。
ただ、少しでも相談することで改善できる見込みがるのであれば、まずは上司に相談して見定めてから転職に踏み切ることも大事です。
会社によっては考慮してもらえることもあるため、転職しなくて済むことも考えられます。
ですが、どうしても難しい場合は会社に見切りをつけて転職する行動に出ることも時には重要です。
このとき、転職エージェントを利用することで、あなたに適した求人先へ転職できるようにサポートしてくれます。
こうしたことを理解したうえで転職活動を進めると、転勤することなく住み慣れた場所に定着して働くことのできる求人に出会うことができるでしょう。
転職活動を行う30代の方の多くは転職エージェントを利用しています。
もし一人で転職活動を行うと、求人探し、履歴書の作成、面接対策、労働条件の交渉など、転職に関わる全てを自分で行う必要があるからです。
それに比べ、転職エージェントを利用すると、キャリアや転職活動に関する専門的な知識と豊富な経験を持つキャリアアドバイザーが全面的にサポートしてくれます。
なお、30代の方に適した転職エージェントの情報を以下にまとめているので参考にしてみてください。