スタートアップ企業は革新的でダイナミックな環境での働き手を求めており、そのために30代の方にとっては魅力的な転職先となっています。
スタートアップ企業には革新的なアイデア、柔軟な働き方、そして急成長の可能性があるので、確かに転職先として魅力を感じます。
また、スタートアップ企業へ転職することで、自身の大きな成長に繋がったり仕事へのやりがいを実感できる可能性も高いでしょう。
しかし、スタートアップでの職場環境は他の企業とは異なり、成功するためには注意が必要です。
この記事では、30代からスタートアップ企業での転職を成功させるためのポイントについて解説していきます。
スタートアップ転職とは
スタートアップ転職は、従来の大手企業や安定した組織から、新しく設立された成長段階の企業やスタートアップ企業に転職することを指します。
これは、従来の企業環境とは異なる挑戦や機会を求めている人にとって魅力的な選択肢です。
なお、スタートアップ企業について簡単にご説明すると、「新しいアイデアや技術を取り入れ、市場での競争力を高めるために急速に成長しようとしている企業」のことを一般的に指します。
スタートアップ企業は、まだ世の中に存在しない技術や考えを社会や人々の生活に提供することを目指しているため、成果次第で大きなインパクトを与えることが可能です。
例えば、今でこそ世界的に広く知られている、Google、X(旧Twitter)、Facebookなどは、スタートアップによって急成長を遂げた企業に該当します。
世の中に存在しなかったアイデアを世界に発信し、驚くほどのスピードで注目と成長を成し遂げた企業です。
つまり、こうした新しいビジネスモデルの展開途中にあり、短期間で急成長を遂げる可能性のある企業へ転職することを「スタートアップ転職」といいます。
スタートアップ企業とベンチャー企業の違い
「スタートアップ企業」と「ベンチャー企業」は、しばしば同じように使用されることがありますが、異なる概念を指すことがあります。
それぞれの違いについて簡単にご説明すると、スタートアップ企業は新しいアイデアや技術を基に設立され、急速な成長を遂げることを目指す企業を指します。
スタートアップは通常、市場での立ち位置を見つけ、事業モデルを確立する段階にあります。
一方で、ベンチャー企業は通常、成長段階にある企業を指します。
これは、まだ市場での地位が安定しておらず、成長を求めている企業です。
つまり、スタートアップ企業は新しい事業を始める初期の段階に焦点を当てるのに対して、ベンチャー企業は既存の事業を拡大している段階に焦点を当てるという違いがあるのです。
そのため、すでにあるビジネスモデルをベースに事業の拡大を目指すベンチャー企業は、スタートアップ企業とはいえません。
30代がスタートアップ転職をする魅力
スタートアップ転職を目指す30代の人は意外とたくさんいるのですが、実際のところどのような魅力があるのでしょうか。
詳しくは、以下でご紹介をしていきます。
会社の成長を実感しながら働くことができる
スタートアップ企業は、新しいビジネスモデルを展開する途中であるため、小規模かつ少人数で事業を進めていくことから始まります。
そのため、最初こそは無名の会社が少人数で細々と事業を行うことになるのですが、最終的には短期間で急速な成長を目指していることから、職場の社員はやる気に満ちています。
このとき、思い描いていたように会社の売り上げが急速に伸びていくと、会社の規模は段々と大きくなり従業員も増えていくはずです。
つまり、少人数で活動する無名だった会社時代から事業に携わっていたとすれば、スタートアップ転職によって会社の成長を肌で強く実感できる魅力があります。
大手企業などの場合、会社の規模が大きく従業員の人数も多いため、こうしたことはほぼ経験できません。
なお、無名の会社が急成長した際には、その一人として大きなアピールにもなるでしょう。
スピード感あふれた職場で働き成長することができる
スタートアップを目指す企業のほとんどは、とても小さな店舗で少人数から事業を展開していきます。
このとき、良いアイデアが浮かんで職場内で話し合うと、すぐに実行に移し活動することも珍しくありません。
基本的に会社の経営者も社員の一人として働いているため、了解さえもらえればすぐ実行に移すことができるのです。
なお、私はスタートアップ転職の経験はありませんが、社員4人とアルバイト6人ほどの少人数で働く会社へ転職したことがありました。
20畳ほどの部屋に経営者や専務がいたため、良いアイデアが浮かんだら雑談を交えてすぐ実行に移し、必要な備品がある場合もすぐに購入して取寄せていたのを目の前で見たことがあります。
それに比べ、大手企業などでは良いアイデアが浮かんで上司へ相談しても、すぐには実行に移すことができません。
なぜなら、何をするにも承認が必要となってくるからです。
また、仮にアイデアの承認に向けて会議が行われたとしても、無駄に長く話し合っているだけで終わることも普通にあります。
ですが、スタートアップ転職を目指す30代の人は、上述とは無縁の世界でスピード感ある働き方と共に成長していくことが可能です。
起業する際には良い経験となる
スタートアップ転職で入社をすると、ほとんどの仕事はゼロから生み出されるアイデアのもと仕事を進めていきます。
そのため、どのような順序で仕事が進められているのかを体験できる機会は多いです。
特にスタートアップ企業では、経営者が近くで働いていることが多いため、どのような考えのもと実行に移しているのかを知ることができるでしょう。
組織として規模が大きければ経営者はもちろんのこと、役員と間近で働く機会もそう多くはありません。
なので、どのような考えや方針のもと、ビジネスを展開しようとしているのかを体験することはできないのです。
なお、将来的に自分で起業することを目指しているのであれば、30代でスタートアップ転職をした経験を活かしてビジネスを展開できるようになります。
スタートアップ転職をする30代のデメリット
30代の方がスタートアップ転職をすることで、上述でお伝えした魅力的な働き方を経験できる可能性があります。
しかし、スタートアップ転職は魅力的なことばかりではなく、当然ながらある程度のデメリットもあるのです。
詳しくは、以下でご説明します。
企業としての安定性は低い
スタートアップ企業の多くは新しく事業を始める、あるいは始めたばかりの段階であるため、ビジネスとして成功するかどうかは未知数です。
つまり、企業としての安定性はほぼないと言っても過言ではありません。
例えば、ビジネスの展開に失敗すればもちろんのこと、資金の確保ができずにサービスの提供ができない状態になれば、そのまま倒産をしてしまうことも普通にあります。
ビジネスとして成功すれば安心ですが、実際にスタートアップ転職をしてすぐに倒産してしまうケースもあるため、ハイリスクハイリターンな世界です。
こうしたデメリットがあるため、安定した働きを求める30代の方はスタートアップ転職は避けた方が無難です。
給与や福利厚生も大きな期待はできない
スタートアップ企業は企業としての安定性がないほか、給与や福利厚生も大きな期待ができません。
スタートアップ企業は新しく事業を始める、あるいは始めたばかりの段階にあるため、サービスから得られる利益がなく限られた資金の中から給与が支払われるからです。
また、最初は低賃金から始まることが多く、ボーナスが支給されないことも珍しくはありません。
福利厚生についても大きな期待はできず、必要最低限の社会保険や交通費しか支給されないことも考えられます。
このとき、規模の大きい企業では「家族手当」「住宅手当」「育児手当」「リフレッシュ休暇」など、福利厚生が充実している場合が多いです。
そのため、安定した給与と福利厚生の恩恵を受けたい30代の方は、スタートアップ転職には向かないと言えます。
長時間労働になりがち
スタートアップ企業の多くは急速な成長を目指し、少人数でビジネスの展開をします。
このとき、限られた従業員でビジネスを展開することになるため、誰もが滞りなく業務を遂行できるように忙しなく働かなければいけません。
例えば、一般的な企業であれば、営業部、企画部、総務部、経理部などの部署が設けられており、それぞれに所属する従業員が割り当てられた仕事のみを行うこととなります。
経理部の従業員が総務部の仕事をする、あるいは企画部の従業員が営業部の仕事をするなどは基本的にないのです。
しかし、スタートアップ企業の多くは少人数で構成されているため、誰もが様々な仕事に取り組まなければいけません。
私も一時期経験しましたが、電話でのやり取り、来客者の送り迎え、お茶出し、商品の箱詰め、ゴミ捨て等々、従業員がみな力を合わせて仕事に取り組むことになるのです。
そのため、どうしても長時間労働になりがちな毎日を送ることとなってしまいます。
なお、企業によっては休みを返上して働くことも考えられます。
「残業は適度がいい」「休暇はしっかり休みたい」などの考えがある30代の方は、スタートアップ転職をすると毎日が仕事疲れで大変かもしれません。
スタートアップ転職を目指す30代が事前に意識しておくべきこと
30代からのスタートアップ転職には、仕事へのやりがいや大きなキャリアアップが期待できる魅力がある反面、デメリットもあります。
そのため、覚悟をもった人でなければ失敗した転職となる可能性が高いです。
では、スタートアップ転職を目指す30代の人はどのようなことを意識して臨めばいいのでしょうか。
この疑問については、以下で詳しくご紹介をしていきます。
将来的に叶えたいキャリアプランを明確にしておく
まず、「なぜスタートアップ転職をしたいのか」「どのようなことを叶えたいのか」を事前に考えておくことが大切です。
20代であれば挑戦してみたいことに挑み、思うようにいかなければ最悪すぐに退職して新しいことに挑戦しても、若さゆえに受け入れてくれる企業はたくさんあります。
しかし、30代からは自分自身のキャリアプランを定める時期であり、再度転職するにも20代よりハードルは高くなりがちです。
そのため、スタートアップ転職をすることで将来的に叶えたいキャリアプランを描いたうえで、行動に移す必要があります。
具体的には、「10年後には独立したい」「5年後には役員の一人になりたい」「1年後には取り組むビジネスを安定させたい」など、徐々に短期的な計画に落とし込むことがベストです。
そうすることで、最終的に達成したい夢に向かって業務を遂行していくことができるようになります。
成長性があるのかを確かめる
スタートアップ転職をしたいからと言って、気になる企業の求人があればどれでも応募していいわけではありません。
先で述べた通り、スタートアップ企業は新しいアイデアや技術を基に設立され、急速な成長を遂げることを目指す企業を指します。
そのため、「本当に成功する気はあるのか」「資金調達はできているのか」「どのような人物が経営者なのか」などを事前に調査しておくことが重要です。
当然ながら、スタートアップとして成功する気がなかったり、資金調達ができていなければ企業として成り立ちません。
早い段階で倒産することは目に見えています。
また、経営者がどのような実績を上げて今に至るのかも調査しておくことが大切です。
例えば、営業出身で「常に新規顧客を5%増やして実績を上げてきた」などの人が経営者の場合、仕事に対する意識レベルは高いといえます。
こうした情報は基本的に企業のホームページ、あるいは求人票などに記載されています。
もし不明確な場合は応募することを避けた方が無難です。
転職エージェントを利用して求人を探す
スタートアップ転職を目指す30代の方は、転職エージェントを活用することも重要です。
その理由は、スタートアップ企業は比較的新しく成長段階にある企業であるため、企業情報を集めようとしても必要最低限の情報しか手に入らないケースが多いからです。
つまり、一人で企業の実態を調査するには限界があります。
そうしたとき、転職エージェントを利用すると、豊富な知識と経験を持つキャリアアドバイザーがスタートアップ企業の求人を探して紹介してくれます。
求人サイトでは中々出回ることのない求人情報を紹介してくれるので、比較しながら転職先を探すことが可能です。
さらに、企業に合わせた応募書類の作成サポートや面接対策も実施してくれるため、内定獲得率を上げることもできます。
そのため、スタートアップ転職を行う場合は、転職エージェントの活用も検討してみてください。
30代のスタートアップ転職の注意点を理解し成功へ導く
スタートアップ転職を検討する30代の人は意外とたくさんいます。
もちろん、様々な思いからスタートアップ企業への転職を望むわけですが、気持ちだけで入社すると失敗する可能性が高いです。
実際にはとても厳しい世界で、リスクを抱えた状態からビジネスを展開していかなければいけません。
しかし、成功した暁には大きな経験とキャリアを築くことができるでしょう。
これらのポイントを理解したうえで、新しい高みを目指すようにしてください。
転職活動を行う30代の方の多くは転職エージェントを利用しています。
もし一人で転職活動を行うと、求人探し、履歴書の作成、面接対策、労働条件の交渉など、転職に関わる全てを自分で行う必要があるからです。
それに比べ、転職エージェントを利用すると、キャリアや転職活動に関する専門的な知識と豊富な経験を持つキャリアアドバイザーが全面的にサポートしてくれます。
なお、30代の方に適した転職エージェントの情報を以下にまとめているので参考にしてみてください。