30代の方に限らず、求人応募をする際には転職希望先に履歴書と職務経歴書を提出する必要があります。
ですが、単にあなたの学歴や職歴などの情報を書くだけではいけません。
履歴書・職務経歴書には適切な書き方があるからです。
特に、30代からは一般常識を踏まえて作成しなければ、書類選考で落とされる可能性が高くなります。
そのため、応募先の採用担当者から魅力的な人材だと思われるよう、履歴書・職務経歴書を作成することが大切です。
この記事では、30代が転職先に提出する履歴書・職務経歴書の書き方と、注意しておきたいポイントを解説します。
30代の転職用の履歴書・職務経歴書は手書きにするべき?
転職用の履歴書と職務経歴書を作成するとき、「自筆にするべき?それともパソコンで書く?」と悩まれる30代の方は意外とたくさんいます。
これについては、どちらが正しいということはありません。
どのような企業でも、履歴書と職務経歴書の書き方を指定してくることはほぼないからです。
そのため、あなたが作成しやすい方で問題ありません。
なお、参考程度に私が転職活動をしていた当時の書き方を紹介すると、「履歴書を手書き、職務経歴書をパソコン」で作成しました。
個人的な理由ではありますが、近年はインターネットの利用者が多い時代です。
このとき、転職先に提出する履歴書と職務経歴書をすべて手書きで提出すると、「パソコンが苦手?」や「パソコンが使えないのかも」と思われる可能性があるのではと考えたのです。
そこで、文字数が比較的多くなる職務経歴書をパソコンで作成することで「パソコンは使えますよ」とアピールしつつ、履歴書は手書きで書いて熱意が伝わるようにしました。
ですが、先ほどお伝えした通り、履歴書と職務経歴書は自筆、パソコンのどちらで作成しても絶対的に正しい方は存在しないため、あなたの作成しやすい方法で仕上げて問題ないでしょう。
ただ、それぞれ注意しておきたいポイントがあるため、以下でご紹介をしていきます。
手書きで作成する注意点
手書きで履歴書と職務経歴書を書く場合は、当然ながら採用担当者が読みやすいように丁寧な文字で書くことが重要です。
もちろん、誤字・脱字はないようにして書き、文字の大きさを統一しておくと良い印象を与えることができます。
なお、手書きで使用するのは「黒のボールペン」が基本です。
このとき、文字を間違えたら修正液を使用せず、もう一度書き直すことがマナーとなります。
パソコンで作成する注意点
パソコンで履歴書と職務経歴書を作成する場合は、フォントを統一して文字の大きさも見やすくすることが大切です。
このとき、不要な空白が入ると文字のバランスが崩れることがあるため、できるだけ空白は避けて記号も入れないことがポイントです。
最終確認は印刷前の画面でも可能ですが、理想は印刷してから確認した方がチェックがしやすいためおすすめします。
共通で注意しておくべきこと
手書き・パソコンで作成のどちらを選んでも、「西暦」と「和暦」は混在せずにどちらかに統一することが大切です。
西暦と和暦が混在すると時系列での把握が困難になるため、採用担当者に余計な手間をかけてしまいます。
具体的には以下の通りです。
- 平成20年3月 東京都立〇〇高等学校 卒業
- 2009年4月 株式会社〇〇 入社
- 令和2年3月 一身上の都合により退職
なお、和暦を使用する場合は「元号」を省略しないようにする必要があります。
元号とは「令和」「平成」「昭和」のことであり、省略は令和を「R」、平成を「H」、昭和を「S」と表記することです。
履歴書や職務経歴書に元号を省略して書くことは適切ではないため、必ず「令和」「平成」「昭和」などと正式な表記で書くようにしてください。
30代の転職用の履歴書の書き方
履歴書はあなたの経歴を転職先の採用担当者に知ってもらうための大切な書類です。
そのため、社会人として常識ある履歴書に仕上げなければいけません。
特に、30代からは常識がないと判断されると、履歴書一つで不採用となることも普通にあります。
そこで、30代の方が転職希望先に提出する適切な履歴書の書き方について、ご紹介をしていきます。
履歴書はあなたに合わせた種類を選ぶ
実は履歴書にも種類があり、どれにするべきかと悩まれる30代の方も少なくありません。
基本的に市販されている転職用の履歴書は、「A4サイズ(A3二つ折り)」と「B5サイズ(B4二つ折り)」の2種類です。
このとき、特に指定がなければA4とB5のどちらの履歴書を使用しても問題ありません。
ただ、どちらかにサイズを決めたときは、履歴書を入れるための封筒のサイズに合わせて購入するのがポイントです。
市販されている履歴書には折り畳み用の封筒が同封されていますが、使用して提出することは避けるべきです。
なぜなら、応募先の企業は提出された履歴書を採用時に保管するため、折りたたんだ履歴書だと管理しづらい場合があります。
そのため、A4とB5のどちらの履歴書を使用するにしても、選んだ方のサイズに合った封筒を別に用意して提出できるようにしましょう。
なお、履歴書にはサイズ以外にも種類があり、「JIS規格」と「各種アピール用」があります。
基本的にJIS規格の履歴書を使用する方が多いのですが、個人的にアピールしたい箇所があるのであれば、それに合わせた履歴書を購入するのもおすすめです。
例えば、市販されている履歴書をよく確認すると、学歴・職歴欄のスペースが大きい、長所・自己PR欄が大きい、資格欄が大きいなど、それぞれ異なった種類があります。
特に強調したい箇所がないのであればJIS規格の履歴書で問題ありませんが、アピールしたい箇所があるのであればそれに合った履歴書を用意して提出すると、採用担当者にあなたの魅力を伝えることができます。
日付は投函日、提出日に合わす
履歴書の一番上に「年 月 日 現在」と記入されているのですが、これは郵送と直接提出する日で異なります。
例えば、郵送で転職希望先へ送る場合は「投函日」を書き、持参して直接提出する場合は「持参日」を記入します。
最新の日付を記入することで使いまわしでないことを証明できるため、転職希望先へアピールすることができます。
なお、前述でご紹介した通り、西暦と和暦は混在しないよう統一し、和暦を使用する場合は元号を省略しないように書くことが大切です。
履歴書の写真はプロに撮ってもらうと印象がよくなる
履歴書には必ず写真を貼り付ける必要があります。
このとき、駅前やデパートなどの施設内に設置されている、スピード写真で撮った写真を貼るのも問題ではありませんが、プロに撮ってもらう方が綺麗に仕上がります。
また、プロに撮ってもらうと仕上がりが良くなるだけでなく、転職希望先の採用担当者に入社する意思をアピールすることができるためおすすめです。
なお、写真を撮るときはスーツの着用を基本とし、モノクロではなくカラーにすると良い印象を与えることができます。
卒業学校名・会社名は省略せずに記入する
学歴・職歴を記入する欄ではそれぞれ分けて書きます。
例えば、学歴であれば最後に入学・卒業した年度と学校名を書き、職歴は今まで働いたことのある会社名を時系列に沿って省略せずに記入しましょう。
もちろん、入社と退職した年月も正確に書くことが大切です。
なお、退職している場合の理由については人によって異なりますが、一般的には以下のように記入します。
- 会社都合:会社都合により退職
- 自己都合:一身上の都合により退職
- 契約終了:契約期間満了により退社
資格はあれば記入し、志望動機・特技は空欄を埋めるように書く
資格欄については取得していれば記入するようにします。
例えば、自動車の免許を持っている場合は取得した年と月を書き、「普通自動車第一種免許 取得」と記入すれば問題ありません。
志望動機・特技については、基本的に応募先の企業で働きたい理由や入社して携わりたい仕事について書きます。
「なぜこの会社で働きたいと思ったのか」「これまでの経験やスキルを活かし、どのように貢献できるのか」を記載すると、転職先にアピールすることができます。
本人希望欄
本人希望欄については、特になければ「貴社の規定に従います。」と記入すれば問題ありません。
しかし、希望したいことがあるのであれば、要約して記入する必要があります。
例えば、連絡についての希望がある場合は、「在職中のため、ご連絡はメールを希望します」や「お電話でのご連絡の場合は、平日20時以降にてお願いいたします」と記載します。
このとき、希望する年収・勤務地・労働時間などを記入しても問題はありませんが、労働条件については書かない方が無難です。
このような労働面での条件は、実際に面接の場面で交渉することが一般的となります。
30代の転職用の職務経歴書の書き方
転職希望先には履歴書のほかに、職務経歴書も一緒に提出する必要があります。
職務経歴書とは、履歴書で書ききれなかった業務経歴や得意なことをまとめるために必要な書類です。
なお、一般的に市販の履歴書を購入すると職務経歴書も同封されていますが、パソコンで作成する場合は使い勝手が悪いため使用する必要がありません。
この場合は、Word(ワード)で職務経歴書を作成するべきです。
職務経歴書は履歴書とは異なり、細かくあなたの経歴を書く必要があるため手書きだと正直疲れますし、何より文字を間違えると修正液で消すわけにもいきません。
そのため、一から書き直すことになるのです。
こうした理由から、Wordを使用すると比較的楽に作成することができるようになります。
ただ、パソコンをお持ちでない場合は手書きでも問題ありません。
職務経歴書の書き方については、以下でご紹介をしていきます。
職務要約
職務要約の欄では、今まで携わってきた職歴を簡単にまとめて書きます。
あまり多く書くと分かりづらくなるため、5行ほどに文章をまとめると採用担当者に理解してもらいやすいです。
例えば、学校を卒業後に入社した会社名を記載し、「〇〇部門に配属され」「〇〇業務に携わっていた」経験を簡単に短くまとめて書くようにします。
このとき、応募先の企業で活かすことのできる経験があれば、少し細かく記入するとアピールにつながります。
職務経歴
職務経歴欄に会社名はもちろんのこと、「どの店舗(支店)で」「どのような業務を」「〇〇の成果を挙げた」などが分かるように記入します。
その他、従業員数、職務期間、雇用形態、所属、役職などを書くと、より詳細にあなたのことを理解してもらいやすいです。
なお、実績や評価など、数字で表すことのできるものはアピールにつながるため、積極的に記載すると内定獲得率を上げることができるでしょう。
活かせる経験・知識・技術
転職希望先で活かせる経験やスキルなどがある場合は、記入することでアピールすることができます。
例えば、日商簿記検定試験の資格を取得しているのであれば、事務関係の求人へ応募する際には「会計実務全般」などと記載できます。
また、PCスキルがある場合は「PCスキル(Word、Excel、PowerPoint)」と記入することも可能です。
内定の獲得率が高まるため、業務に関連性のある経験、知識、技術などは、積極的に記載しておくことが大切です。
自己PR
自己PRは、現在まで勤めてきた会社での業務内容や実績をもとに、2~3つほどテーマを選んで記載すると内容を分かりやすく伝えることができます。
例えば、「前職でどんな実績を挙げたのか」「業務で問題が発生しものの、アイディアで切り抜けた」「仕事での経験や失敗をもとに社員教育を行った」などの3つに絞り記載すると、アピールすることができます。
転職希望先に合わせたテーマを3つ考え5行ほどでまとめると、採用担当者もあなたの知識やスキル、そしてやる気を把握できるため明記することが重要です。
履歴書・職務経歴書はキャリアアドバイザーに添削してもらう
30代の転職では、ここまでに説明をした内容をもとに、履歴書と職務経歴書を作成することが重要です。
しかし、「文章を書くのが苦手…」「転職がはじめてで書き方がよくわからない…」と悩まれているかもしれません。
そうしたときは、キャリアアドバイザーからアドバイスをもらい、履歴書・職務経歴書を作成すると安心です。
キャリアアドバイザーは転職エージェントに在籍しており、利用することで転職に関わる全てのサポートを受けることができます。
具体的には求人の紹介、模擬面接の実施、面接日の日程調整、労働条件の交渉などのサポートを受けることが可能です。
このとき、求人応募をする際に必要な履歴書・職務経歴書の作成支援や添削も行なってくれるため、企業に合わせた書類に仕上げて提出することができるようになります。
私も転職エージェントを利用し、企業ごとに履歴書と職務経歴書を添削していただきましたが、自分では気づかなかった点を指摘して修正してくれたため、分かりやすい内容に仕上げることができました。
30代の転職は有利に進めることに越したことはないため、転職エージェントを活用して進めることも内定をもらうためには大切です。
魅力的な履歴書・職務経歴書の書き方を学び30代の転職を成功させる
本記事では、30代の方が転職をする際に必要となる、「履歴書・職務経歴書の書き方」についてご紹介しました。
30代の転職では20代とは異なり、履歴書と職務経歴書は厳しく確認される傾向にあります。
そのため、社会人として一般常識を踏まえた書類に仕上げることが重要です。
もし、常識のない履歴書と職務経歴書を提出してしまうと、「常識がない」と判断され書類選考の段階で落とされてしまいます。
こうしたことを防ぐためにも、適切な書き方を理解し履歴書と職務経歴書を仕上げることが大切です。
ただ、適切に仕上げる自信のない場合は、一人で悩まず転職エージェントを活用するようにしましょう。
求人先に適した履歴書と職務経歴書に仕上げることができるよう、キャリアアドバイザーがアドバイスと添削を行なってくれます。
そうすることで、転職希望先の採用担当者から魅力的な人材だと思ってもらえる、履歴書・職務経歴書を作成することができ、転職を有利に進めることができるようになります。
転職活動を行う30代の方の多くは転職エージェントを利用しています。
もし一人で転職活動を行うと、求人探し、履歴書の作成、面接対策、労働条件の交渉など、転職に関わる全てを自分で行う必要があるからです。
それに比べ、転職エージェントを利用すると、キャリアや転職活動に関する専門的な知識と豊富な経験を持つキャリアアドバイザーが全面的にサポートしてくれます。
なお、30代の方に適した転職エージェントの情報を以下にまとめているので参考にしてみてください。