転職を考える30代の方の中には、ポテンシャル採用を目指す人がいます。
経験やスキルを活かすのではなく、潜在能力を重視してもらえる企業への転職を望むのです。
しかし、30代からポテンシャル採用に挑戦するのは難しいことだと理解しておく必要があります。
30代からは実務経験を活かした「即戦力」を求める企業が多いため、実務未経験で挑むのは覚悟をもった人でなければ失敗するリスクが高いのです。
しかし、ポテンシャル採用を打ち出す企業は年々増加の傾向にあるため、可能性はゼロではありません。
本記事では、30代が転職でポテンシャル採用を目指す上でのリスクや成功ポイントをご紹介します。
ポテンシャル採用とは
まず、ポテンシャル採用の意味について触れていきます。
ポテンシャル採用とは、実務経験がない場合でも、今後の成長を期待して人材を採用する方法のことです。
世の中が不景気になると、多くの企業は新卒採用を縮小もしくは見送るため、その度に深刻な人材不足となり問題となってきました。
例えば、バブル崩壊後の職業氷河期、リーマンショック、新型コロナウイルスの流行など、経済に悪影響を及ぼす問題が発生するたびに多くの企業は人材の採用を控えだします。
しかし、ここで発生する問題が、景気が安定期に入った際の人材不足です。
企業としては、即戦力となる実務経験者へ向けた求人募集に打ち出すのですが、どの企業も同じく募集を始めるため、人材の獲得競争率が高くなり思うような採用に至りません。
そうしたとき、即戦力は期待できなくとも潜在能力を重視した採用基準に変更することにより、今後大きな成長が見込める人員を採用する動きを「ポテンシャル採用」と呼びます。
ポテンシャル採用は何歳まで？30代でも転職は可能？
ポテンシャル採用ですが、実のところ「何歳まで」という明確な基準はありません。
ですが、多くの企業は一定の基準を設けて採否の判断を行なっているのが実情です。
具体的に、ポテンシャル採用を実施している企業の多くは「20代」に向けて求人募集を行なっています。
特に同じ20代でも若い方がポテンシャルでの転職成功率が高い傾向にあり、遅くても20代後半までが一般的です。
そのため、30代がポテンシャル採用枠で転職を行うことは非常にハードルが高く難しいのです。
なぜなら、30代は20代と違い「即戦力」を重視した採用を行う企業がほとんどだからです。
しかし、必ずしもポテンシャルで採用されないわけではありません。
例えば、私は30代で4回の転職経験があるのですが、うち3回はポテンシャル採用により転職しています。
なお、30代がポテンシャルで採用されるためには、入社したい意思と熱意をもって伝えることが重要です。
さらに、転職に成功した場合に発生するリスクについても理解しておく必要があります。
詳しくは、以下でご説明をしていきます。
年収が下がることは理解しておく
30代からポテンシャル採用枠で転職することは、実務未経験の状態で働くことを意味します。
そのため、即戦力採用とは異なり年収はほぼ確実に下がることを理解しておくことが重要です。
当然ながら、実務未経験であると企業は一から教育や研修を行う必要があるため、それに伴う費用が発生してしまいます。
どれほどの研修や教育期間が必要なのかは企業によって異なりますが、それでも即戦力採用とは違い丁寧に教える必要があるため、その期間は仕事を通して貢献することができません。
なお、ポテンシャル採用の場合は、基本的に新卒採用とほぼ同じ年収から始まるケースが高いです。
私は3回とも劣悪な会社に転職してしまったこともあり、200万円以上も年収が下がりました。
そうしたとき、あなたの前職の年収によっては100万円以上の年収が下がる可能性は高いです。
こうした事実があるため、応募する企業ではどれほど年収が下がるのか、昇給のペースはどれくらいなのかをよく確認しておく必要があります。
覚悟がなければすぐに退職する可能性が高い
30代の方の多くは、社会人として働き出して10年ほど経過しています。
中には新卒から一つの会社で働き続け、30代に入ってポテンシャル採用を狙った転職を目指している人もいるかもしれません。
このときに注意しおくべきことは、ポテンシャル採用後にすぐ退職してしまう可能性です。
実務経験のない業種からポテンシャルで転職をすると、入社した企業の仕事スピードについていけないことがあります。
また、働く上で押さえておく必要のある業務ができない人もいるのです。
例えば、飲食業から製造業への転職では全く業種が違います。
そのため、想像していた以上に仕事内容とのギャップが生じ、すぐに退職する30代の方が意外と多いのです。
特に一つの業界で仕事をしてきた人が実務未経験の企業へ転職すると、前職の経験と比較してしまい退職する人が少なくありません。
こうした事実があるため、30代からポテンシャル採用を目指すのであれば、覚悟をもって転職することが重要です。
そうしなければ無駄に職歴にキズがつき、次の転職活動において不利へとなってしまいます。
ポテンシャル採用を望むならすぐに動き出す
あなたが30代の何歳に該当するのかは分かりませんが、ポテンシャル採用による転職を検討しているのであれば、すぐに動き出す必要があります。
前述でご説明した通り、多くの企業は30代の転職者に対して即戦力を期待し採用します。
一般的にポテンシャル採用を実施する企業は20代に向けて行うため、年齢的にはすでに厳しい状況にあるのです。
特に30代後半からはより難しくなるため、1日でも早く転職活動を行う必要があります。
30代のポテンシャル採用は転職エージェントを活用する
ポテンシャル採用を目指す30代の方は、転職エージェントの活用を検討してみてください。
その理由は、転職エージェントを活用した方が優れた企業求人に出会えるからです。
中には自ら求人を探す人もいるのですが、求人票の情報のみで優れた企業なのかを判断することは難しいと言わざるを得ません。
特に労働条件の交渉を採用担当者とすることは困難を極め、ほぼ失敗して終わります。
それに比べ、転職エージェントを活用するとキャリアアドバイザーがサポートをしてくれるため、有利に転職活動を進めることができるのです。
例えば、一般の転職サイトでは掲載されることのない求人を転職エージェントは独自に保有しており、その中からあなたの要望にあった求人をキャリアアドバイザーが探して紹介してくれます。
また、企業ごとに合わせた応募書類の作成サポートや模擬面接の実施も行ってくれるので、30代の方でもポテンシャルで転職できる確率を上げることができます。
さらに、応募先の風土や内情も調査してくれるため、転職後に大きなギャップが生じるリスクを極力軽減することもできるでしょう。
当然ながら、一人で転職活動をするとこのようなサポートを受けることはできません。
より優れた企業へのポテンシャル採用を実現できるように、転職エージェントを活用してあなたに合う求人を探すようにしてみてください。
30代でポテンシャル採用を目指すべきかを考え転職する
30代からの転職でポテンシャル採用を目指す場合、20代のように簡単ではありません。
仮に転職に成功しても、年収が大きく下がることや仕事についていけないなどの問題により、すぐ退職してしますリスクもあります。
そのため、本気でポテンシャル採用を狙う場合は覚悟をもって挑むことが重要です。
このとき、覚悟をもって転職活動をするのであれば、キャリアアドバイザーからのサポートを受けると効率的に求人を探すことができます。
その結果、あなたが望む形でポテンシャル採用を実現することができるでしょう。
転職活動を行う30代の方の多くは転職エージェントを利用しています。
もし一人で転職活動を行うと、求人探し、履歴書の作成、面接対策、労働条件の交渉など、転職に関わる全てを自分で行う必要があるからです。
それに比べ、転職エージェントを利用すると、キャリアや転職活動に関する専門的な知識と豊富な経験を持つキャリアアドバイザーが全面的にサポートしてくれます。
なお、30代の方に適した転職エージェントの情報を以下にまとめているので参考にしてみてください。