30代になると、結婚という人生を大きく変えるライフイベントを経験する人が増えてきます。
特に女性の場合は男性と異なり、結婚後には妊娠、出産、育児などのライフイベントも考えられるため、今とは生活環境が大きく変化することが予想されます。
なお、結婚を機に転職をする30代の男性と女性は意外と多いです。
もちろん、理由があって転職をするのですが、あなたも結婚を機に転職を検討しているのであれば、事前に知っておきたい注意点などがあります。
本記事では、結婚を機に転職をする30代が知っておきたい注意点と求人の探し方をご紹介します。
30代の男性女性が結婚を機に転職をする理由
結婚を機に転職をする30代の男性女性は意外とたくさんいますが、一体どのような理由で転職をするのでしょうか？
これについては、以下のような結婚後の事情が主な理由です。
- 給与が低く結婚生活が厳しい
- 将来的に育児と仕事が両立できない
- お互いの生活リズムを合わすため
詳しくは、以下でご紹介していきます。
給与が低すぎて結婚生活を維持できない
男性も女性も、一人で生活をしていたときであれば、今の給与でも生活できると考える人は多いです。
ただ、結婚をするとお互いを支えながら生活していかなければいけません。
このとき、今の会社では給与が低すぎて、結婚生活を維持できないと考える30代の人は意外とたくさんいます。
特に子どもができた場合は、2人での生活以上にお金が必要です。
当然ながら、2人でも生活が厳しい状態で新たに子どもが加わると、結婚生活の維持は難しいと言わざるを得ません。
そうしたとき、今の会社で働き続けるには給与があまりにも低いと考え、結婚生活のため転職を選ぶ30代の人もいるのです。
子どもが生まれた際に育児と仕事を両立できない
働く30代女性の中には、結婚をしても働き続けることを希望する人もたくさんいます。
将来的に子どもができた際にお金は色々と必要となるので、少しでも生活の足しにするため働き続けることを希望するのです。
ただ、子どもができたときに、今の職場では育児と仕事を両立できないと悩まれる人もいます。
例えば、時短勤務がしにくい環境であったり、子どもを理由とする急な休みに対応しにくい会社に勤めているため、悩まれている人がいるのです。
こうした悩みは、結婚後に退職をして専業になれば解決できますが、働き続ける場合は難しいと言わざるを得ません。
そのため、子どもができたときでも育児と仕事を両立できるように、育児に関して理解ある会社を求めて転職をするのです。
お互いの生活リズムを合わせられない
結婚を機に退職をする30代の方の中には、現在の会社では仕事が忙しすぎることが原因の人もいます。
一人暮らしのときであれば、遅くに帰宅しても自分のライフスタイルを維持できれば差ほど問題はありません。
ですが、結婚をすると自分だけでなく、人生を一緒に歩む伴侶のことも考える必要があります。
今後の結婚生活を良いものとするためには、ある程度は時間に余裕ある働き方が必要となってくるのです。
しかし、仕事が忙しすぎるとお互いの生活リズムを合わすことは非常に困難です。
特に子どもが加わった場合は育児も必要となるため、時間に余裕がないと大きな負担となります。
そのため、少しでも時間に余裕ある働き方ができるよう、結婚を機に転職をする30代の人もいるのです。
結婚を機に転職する30代が知っておきたい事前知識
上述のような理由で、結婚を機に転職をする30代の人は意外とたくさんいます。
ただ、このとき事前に理解しておきたいことがあります。
具体的には、結婚後に考えられる妊娠や出産を前提とした制度についてです。
なお、妊娠や出産についての制度は女性だけでなく、男性も理解しておくことが重要です。
産休制度
まず、女性だけが取得できる産休ですが、雇用形態に関係なく誰もが取得できます。
産休とは、出産の準備期間である「産前休業」と、出産後の回復する休暇である「産後休業」の2つ合わせた休暇のことです。
産休は労働基準法で定められた制度であり、産前休業は出産予定日の6週間前に会社へ申し出れば取得することができます。
なお、双子以上の場合は14週間前に会社へ申し出れば取得可能です。
一方、産後休業は出産の翌日から8週間まで休暇を取得することができます。
ただし、産後6週間を過ぎて本人が働くことを希望し、また医師が認めた場合は就業可能です。
出産育児一時金
健康保険や国民健康保険に加入していると、出産時には「出産育児一時金」としてお金を受け取ることができます。
具体的には、「妊娠4ヵ月（85日）以上で出産したとき」に、産科医療補償制度に加入してる医療機関では一児につき42万円支給してもらえます。
その他の医療機関での出産では40万4千円です。
具体的な出産一時金を受け取るための条件は以下の通りです。
- 健康保険に加入している
- 国民保険に加入している
- 配偶者の扶養として健康保険に加入している
- 妊娠4ヵ月（85日）以上で出産をしている
なお、出産育児一時金の手続きは保険者により異なるので、健康保険は「協会けんぽ」へ、国民健康保険はお住まいの「市役所」に問い合わせてみてください。
出産手当金
妊娠した女性は、出産のために会社を休む必要があるため、毎月の給与を受け取ることができません。
そうしたとき、給与がなくても安定した生活を送ることができるように、「出産手当金」を受け取ることができます。
出産手当金を受け取る具体的な条件は以下の通りです。
- 勤務先の健康保険に加入している
- 妊娠4カ月以降の出産であること
- 出産のために休業していること
上記の条件を満たすことで、出産予定日を含む42日間（多胎妊娠の場合98日）から出産の翌日以降56日間、出産手当金を受け取ることができます。
申請方法については、勤務先から「健康保険出産手当金支給申請書」を受け取るか、協会けんぽのホームページからダウンロードします。
そして、出産の証明欄に医師から必要事項を記入してもらい、会社にも必要事項を記入してもらうことで申請可能です。
なお、すでに退職していた場合でも、継続して1年以上を会社の健康保険に加入していれば受け取ることができます。
ただし、以下のケースに該当する場合は、出産手当金を受け取ることができません。
- 国民健康保険に加入している
- 健康保険の扶養に入っている
- 健康保険の任意継続に加入している
自営業やフリーランスの方は、必然的に国民健康保険に加入することになりますが、残念ながら出産手当金を受け取るはできません。
また、夫の扶養には入っている場合も対象外であり、退職後に任意継続で健康保険に加入する人も受け取ることはできないので注意が必要です。
育休制度
育児休暇の制度ですが、こちらは女性だけでなく男性も取得可能です。
育休は、「子どもが1歳になる前日」まで取得することができますが、以下の条件が必要です。
- 同一の事業主に1年以上雇用されていること
- 子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用される見込みがある
- 週の労働日数が3日以上ある
このとき注意しておきたいことは、「同一の事業主に1年以上雇用されていること」が育休の取得条件に入っていることです。
つまり、結婚を機に転職することを検討している30代の人は、少なくとも転職後に1年を経過することを考慮しておかなければいけません。
結婚後すぐに転職をしたとしても、就職先で1年以上雇用されなければ育休が取得できないので注意が必要です。
なお、以下のケースに該当する場合は育休の対象外です。
- 雇用期間が1年未満である
- 1年以内に退職する
- 週の労働日数が2日以下
30代の女性が結婚を機に転職するときに確認しておくべきこと
特に結婚を機に転職をする30代女性が確認しておきたいことがあります。
具体的には、転職先が結婚後に妊娠や出産をしても、育児と仕事を両立できる職場であるかどうかです。
当然ながら、育児に理解のない会社へ転職しても育児と仕事を両立することはできません。
そのため、転職活動の段階で育児に理解のある会社へ転職できるような条件を押さえ、転職することが重要です。
具体的には、以下のポイントを押さえると、育児と仕事を両立して働くことができるようになります。
- 独自の時短勤務を設けている
- 子持ちの女性が多数在籍している
- 自宅までの距離が近い
- キャリアを活かし働くことができる
それぞれについて簡単にご説明すると、どの企業でも育児介護休業法により時短制度が義務付けられているため、利用すれば子育てを優先した働き方を実現できます。
ただ、法律では子どもが3歳になると通常の8時間勤務であるフルタイムに移行するため時短勤務ができません。
このとき、企業によっては小学校を卒業するまで時短勤務を認める制度を設けていることがあるため、そうした職場へ転職すると育児と仕事を両立しやすいです。
ここで大切なのは、子持ちの女性が多数在籍している職場であるかどうかです。
実際のところ、制度が整っていても取得しにくい環境であれば意味がありません。
そうしたとき、子持ちの女性が多数在籍している職場は基本的に育児に理解ある会社であるため、制度を利用しやすいです。
また、育児の相談がしやすくフォローもしてくれるので、長く働き続けることができます。
なお、自宅と職場が近い条件を付け加えて転職すると、子どもを理由とした事情で早退するときでも急いで帰宅することができます。
最後に、転職するときは年収維持と働きやすくするため、前職のキャリアを活かすことのできる同業界・同職種で転職することが重要です。
結婚を機に転職する30代は転職エージェントを活用するべき
結婚を機に転職をする30代の人は、転職エージェントを活用することがポイントです。
実際のところ、給与アップや働きやすい会社へ転職するための条件で自ら求人を探しても、素人では見極めることが困難です。
特に、「育休は取得しやすいのか」「子持ちの女性は多数在籍しているのか」「長時間労働はしていないか」などを、求人票に記載されている情報だけで知ることはできません。
このとき、転職エージェントを活用することで、キャリアアドバイザーが調べて条件に合う求人をあなたに紹介してくれます。
なお、キャリアアドバイザーから紹介を受けることのできる求人は非公開求人であるため、一般的な求人サイトやハローワークで出回ることはありません。
非公開求人は、ほとんど優れた企業からの求人募集であり、労働環境の悪い職場へ転職するリスクを軽減できるメリットがあります。
その他、キャリアアドバイザーはあなたが求める年収や労働条件を求人先と交渉してくれるため、良い条件での転職が期待できます。
当然ながら、一人で転職活動をするとこうしたサポートを受けることはできません。
そこで、良い条件で転職するためにも、転職エージェントの活用を検討してみてください。
結婚を機に転職する30代は注意点を理解して幸せな家庭を築く
結婚を機に転職をする30代の人は意外とたくさんいます。
ただ、転職するからには働きやすい職場であることはもちろんのこと、将来的なことも考え行動することが重要です。
例えば、結婚後に女性は妊娠、出産、育児などのライフイベントが考えられるため、こうしたことを考慮した職場へ転職することが大切です。
具体的には、時短勤務の制度が長く利用できたり、育休が取得しやすい、相談できる子持ち女性が多いなどの職場であると、働き続けることができるようになります。
しかし、こうした条件の求人は一人で探すことが難しいため、転職エージェントの活用を検討してみてください。
そうすることで、キャリアアドバイザーが会社の風土や内情を調査してくれるため、あなたに適した求人へ応募しやすくなります。
また、結婚生活を維持するための年収アップや、余裕ある働きができる条件の会社への転職を希望する場合も、キャリアアドバイザーが交渉してくれるため良い条件で入社しやすくなります。
こうしたことを理解しておくことで、結婚を機に転職をしても、幸せな家庭を築くことのできる企業で働くことができるでしょう。
転職活動を行う30代の方の多くは転職エージェントを利用しています。
もし一人で転職活動を行うと、求人探し、履歴書の作成、面接対策、労働条件の交渉など、転職に関わる全てを自分で行う必要があるからです。
それに比べ、転職エージェントを利用すると、キャリアや転職活動に関する専門的な知識と豊富な経験を持つキャリアアドバイザーが全面的にサポートしてくれます。
なお、30代の方に適した転職エージェントの情報を以下にまとめているので参考にしてみてください。