仕事が忙しいことを理由に、毎日朝早くから夜中まで働き、自宅に帰っても最低限のことだけをして眠りにつく。
このように、仕事でキャパオーバー気味の30代の方は少なくありません。
仕事でキャパオーバーになる理由はさまざまですが、余裕のある働き方ができる環境にないため、深刻な状況に陥っているのです。
当然ながら、こうした状況が続くと、いずれは健康を損ねる可能性も否定できません。
そのため、できるだけ早く現状から抜け出す方法を考える必要があります。
このとき、どのようにして仕事のキャパオーバーから抜け出せば良いのでしょうか。
この記事では、仕事でキャパオーバーになる30代の原因、起こり得る悪影響、そして解決法について解説します。
キャパオーバーとは

まず、キャパオーバーについて簡単に説明します。
「キャパオーバー」とは、和製英語の「capacity over(キャパシティオーバー)」を略称した言葉です。
具体的には、「処理能力や許容量を超えた状態」を指しますが、「キャパを超える」と表現することもあります。
なお、仕事でキャパオーバーを起こすと、焦りや思考停止、ストレスの蓄積などが生じ、業務の遂行に支障をきたす可能性があります。
また、無理に仕事を進めても、成果が出ない、ミスをしやすくなる、業務の品質低下などの問題が発生しかねません。
さらに、健康面では体調を崩す恐れもあるため、原因を認識し、改善に取り組むことが重要です。
仕事でキャパオーバーになる30代の原因

30代の方が仕事でキャパオーバーを引き起こす原因はさまざまです。
ただ、以下の理由でキャパオーバーを引き起こす人が多いといわれています。
- 明らかに仕事量が多い
- 仕事の依頼を断れない
- 仕事が引き継がれていない
- 仕事を進めるスピードが遅い
- 悩み事を多く抱えている
それぞれについて、以下で紹介します。
明らかに仕事量が多い
仕事でキャパオーバーに陥る30代の方によくある原因の一つが、明らかに仕事量が多すぎることです。
繁忙期である、人員が少ない、上司の割り振りが不適切などの原因で、一人に対する仕事量が増えることは少なくありません。
当然ながら、仕事量が多い状態が続くと、焦りやストレスが溜まりやすくなり、気持ちの余裕まで失ってしまいます。
さらに状況が悪化すると、度重なるミスや業務の品質低下、健康を損ねることも考えられます。
そのため、現状を改善するには「なぜ仕事量が多すぎるのか?」を把握することが大切です。
仕事の依頼を断れない
30代になると、人によっては勤続年数の長さから、重要な仕事を任される機会が増えます。
仕事を任されるということは、安心や信頼されている証でもあるため、依頼を断らずに引き受ける人も少なくありません。
あるいは、断ると角が立つ可能性が高いため、無理に引き受けてしまう人も多いです。
しかし、通常業務とは別に仕事を任されることが増えると、仕事でキャパオーバーに陥りやすくなります。
仕事の負担ばかり大きくなるため、精神的に疲弊し、本来の業務を進められないといったデメリットが生じます。
仕事の引継ぎをされていない
新たな仕事に携わる際には、基本的に業務の引継ぎが行われるものです。
これは異動や転職などの理由で担当者がいなくなった後も、問題なく業務を円滑に遂行するためです。
しかし、会社によっては業務の引継ぎがうまく行われていないこともあります。
実は私が経験しており、30代で転職した会社で仕事の引継ぎが行われないまま、数名の社員が突然退職し、なぜか入社5カ月の私が全てを引き継ぐことになりました。
こうした原因でキャパオーバーになる30代の方も少なくありません。
仕事を進めるスピードが遅い
30代の方の中には、仕事を進めるスピードが遅いことが原因でキャパオーバーになる人もいます。
そもそも能力が不足している場合、仕事を進めるスピードが遅くなるのは必然です。
なお、仕事の能力が不足する原因は、業務的な問題や個人の能力差などさまざまです。
当然ながら、仕事を進めるスピードが遅すぎると、新たな仕事が徐々に積み重なり、期日までに終わらせることは難しくなると言わざるを得ません。
そのため、なぜ仕事を進めるスピードが遅いのかを見直すことが重要です。
悩み事を多く抱えている
仕事でキャパオーバーに陥る30代によく見られる原因として、悩み事を多く抱えていることが挙げられます。
仕事量の多さや職場の人間関係、あるいは個人的な問題など、悩みの原因はさまざまです。
なお、悩み事を抱えた状態では心の余裕を持てず、目の前の仕事に集中することはできません。
そのため、仕事がはかどらずに、いつの間にか自分の処理能力を超えるほどの仕事が溜まることもあるのです。
誰しも悩みの一つや二つはあるものですが、悩みの深さによっては、仕事でキャパオーバーを引き起こすこともあります。
仕事でキャパオーバーになる30代に起こりやすい悪影響

前述では、仕事でキャパオーバーになる30代の原因について紹介しました。
仕事のキャパオーバーが原因で、さまざまな悪影響が生じることがあります。
具体的には、以下のような悪影響が挙げられます。
- 健康を損ねる
- ストレスでイライラしがちになる
- プライベートな時間を確保できない
- 仕事の評価に影響する
それぞれの内容を、以下で詳しく説明します。
健康を損ねる
仕事の多さが原因でキャパオーバーになっている30代の方の多くは、高確率で健康を損ねてしまいます。
仕事が多すぎると毎日が多忙を極め、夜遅くまで働いたり、休日出勤をする機会はどうしても増えがちになります。
この状況では、満足に睡眠を取ることもできないため、疲労が蓄積して体調を崩してしまうでしょう。
なお、睡眠に詳しい医師や専門家によると、人間が健康な状態を保つためには、1日に6~8時間の睡眠が推奨されています。
睡眠は、ストレスの軽減、免疫システムの低下防止、認知機能の正常化、血圧の上昇を抑える役目など、全身の機能において重要な役割を担っているからです。
そのため、多忙な状態が続くと、最悪の場合うつ病を発症する可能性もあります。
ストレスでイライラしがちになる
仕事でキャパオーバーの状態が長く続くと、やがてストレスでイライラしやすくなります。
このとき、ストレスを解消するために、理不尽な暴言を吐いたり、物に当たる30代の方も意外と少なくありません。
当然ながら、こうした行為は職場での人間関係を悪化させ、物に当たると会社から損害賠償を請求される事態に発展することもあります。
実のところ、私も多忙すぎる毎日に嫌気がさし、同僚や後輩に暴言を吐いていた時期がありました。
あまりにもストレスが溜まりすぎると、イライラを通り越して無関係な人や物に当たってしまう人がいたり、自分自身がしてしまうことがあるかもしれません。
しかし、最終的には悪い結果にしかならないため、そうなる前に対策を講じることが重要です。
プライベートな時間を確保できない
仕事でキャパオーバーになっている30代の多くは、毎日朝早くから遅くまで働き、休日も出勤していることがあります。
この状況では、満足な睡眠時間を確保できないだけでなく、プライベートな時間も確保できません。
例えば、家族や恋人と過ごす時間、趣味を楽しむ時間など、プライベートな時間を確保できずに楽しめないのです。
毎日が働いて寝るだけの生活では、何かと憂鬱な気分になってしまいます。
仕事でキャパオーバーになると、私生活にも悪影響を及ぼすこともあるため、改善策を考えることが重要です。
仕事の評価に影響する
仕事でキャパオーバーになるということは、業務が円滑に進んでいないことを意味します。
そのため、「仕事の優先順位がつけられていない」「スケジュール管理ができていない」と思われ、評価に悪影響を及ぼすことがあります。
つまり、仕事ができない人間だと思われ評価を下げられてしまうのです。
もし職場の上司や従業員が、キャパオーバーの事情を理解している場合は問題ありません。
しかし、働く会社や職場によっては理解されない場合もあるのです。
もちろん、単に仕事が遅いだけでキャパオーバーになっているのであれば、自ら早急に改善する必要があります。
ただ、どれだけ頑張ってもキャパオーバーから抜け出せず、そのことが原因で評価を下げられる30代の方もいるのです。
仕事でキャパオーバーになっている30代にできる解決策

ここまでに、仕事でキャパオーバーになる30代の原因と悪影響についてお伝えしてきました。
では、どのように対策を練り、解決へ向けて行動すれば良いのでしょうか。
これについては、以下の3つの方法を行うことで解決に導くことができます。
- 上司へ相談して仕事を分配してもらう
- 無理な仕事は理由を明確にして断る
- 仕事の進め方を見直す
それぞれについて詳しく説明します。
上司へ相談して仕事を分配してもらう
仕事量が圧倒的に多く、どれだけ業務を遂行しても改善できずにキャパオーバーになっている場合は、上司へ相談することが重要です。
上司は、部下が業務を円滑に遂行できるようサポートをして導き、仕事の相談に乗る役割を担っています。
このとき、仕事の分配を行うのも基本的には上司の役割であるため、現在キャパオーバーにある旨を伝えなければいけません。
ただし、単に仕事がキャパオーバーである旨を伝えるだけでなく、「なぜ業務の遂行が難しいのか」を明確にし、具体的な問題点を上司に説明しましょう。
仕事が円滑に進まない場合、それは職場を束ねる上司の監督責任でもあるため、事情を明確にして伝えることで適切な対応をしてもらえるはずです。
無理な仕事は理由を明確にして断る
仕事でキャパオーバーになる30代の中には、角が立つことを避けるために、無理をして業務を引き受ける人も多いです。
もちろん、多少の無理で業務を遂行できるなら良いのですが、そうでない場合は断ることも重要です。
無理に引き受けると期日までに仕事が終わらず、本来行うべき仕事も遂行できないことになりかねません。
これでは、仕事を依頼した人から不評を買うだけでなく、あなたの仕事も遂行できずに得られるものがないです。
そのため、単に「無理です」と断るのではなく、現在のスケジュールを交えて難しい理由を説明し、断ることも必要です。
仕事の進め方を見直す
仕事でキャパオーバーになっている場合、仕事の進め方を見直すことも重要です。
なぜなら、仕事の優先順位に問題があることで、キャパオーバーになっている場合も考えられます。
例えば、期日までに猶予がある仕事を常に優先してしまい、先に終わらせるべき仕事に追われている30代の方は意外と少なくありません。
また、途中で仕事が追加されたことで、期日までのスケジュールが分からなくなっていることも考えられます。
そのため、仕事が増えた段階で一度手を止め、期日や猶予を確認し、スケジュールを見直す行動が重要です。
仕事のキャパオーバーが改善できない30代は転職も検討する

前述では、仕事でキャパオーバーになる30代の方が実践できる解決法についてお伝えしました。
しかし、どれだけ改善に取り組んでも、職場環境や仕事の状況によっては解決が難しいこともあります。
事実、私は転職した企業で未経験の仕事を任され努力しましたが、企業体制に問題があり、見切りをつけ1年で退職しました。
そのため、可能な限り対策を講じても改善が見られない場合は、30代の間に転職を検討することも重要です。
改善の余地のない会社で働き続けても、あなたは良い結果を得られず、厳しい環境の中で年齢だけを重ねてしまうことになりかねません。
年齢が上がると転職が難しくなる傾向があるため、時には見切りをつける決断も必要です。
なお、一人で転職活動をすると大変ですが、転職エージェントを活用すると、労働条件の良い会社に出会える可能性が高まります。
転職エージェントは、一般には出回らない優良企業の求人を多数保有しており、あなたが希望する労働条件の会社を見つけやすくなります。
また、業界や職種に詳しいキャリアアドバイザーが全面的にサポートしてくれるため、転職活動を円滑に進めることができるでしょう。
仕事でキャパオーバーする30代は原因を把握し対処
30代に限らず、仕事でキャパオーバーになる人は少なくありません。
現在の日本は不景気な傾向にあり、多くの企業が人員や経費を削減しています。
その結果、一人あたりの負担が増え、キャパオーバーになる人が増えているのです。
他にもさまざまな原因があるでしょうが、いずれにせよ、早い段階で改善に努めることが重要です。
ただし、どうしても改善が見られない場合は、転職も視野に入れて行動する必要もあります。
なお、転職エージェントを活用すると、キャリアアドバイザーがあなたの経験やスキル、希望に合った求人を紹介してくれます。
これらを理解し、解決に努めることで、働きやすい環境での仕事が実現できるでしょう。

転職活動を行う30代の方の多くは転職エージェントを利用しています。
もし一人で転職活動を行うと、求人探し、履歴書の作成、面接対策、労働条件の交渉など、転職に関わる全てを自分で行う必要があるからです。
それに比べ、転職エージェントを利用すると、キャリアや転職活動に関する専門的な知識と豊富な経験を持つキャリアアドバイザーが全面的にサポートしてくれます。
なお、30代の方に適した転職エージェントの情報を以下にまとめているので参考にしてみてください。